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玄武さまと黒の花嫁  作者: 夜兎
2章 玄武さまの溺愛
15/21

1

2章突入です。


 この世界に迷い込んでから、はや数日。

 鈴音がこの世界について知れたことはあまりない。


 調べようにも、鈴音にはこの世界の文字が読めない事が判明したのだ。

 今まで意思疎通が取れていた様に、言葉は通じているようだが、それすらも日本語でないことを知った。

 鈴音自身が喋っている言葉も、玄武から聞こえている言葉も、理解できているのに、発音だけ聞くとどう考えても日本語ではないのだ。一切違和感を感じなかったのは、頭の中で同時翻訳をしている様に日本語へと変換されているからだ。


 それなら玄武に文字を教えてもらおうと聞いた所――――



『そんなに焦る必要はないだろう? どうしてもと言うなら、私が読み聞かせでもしてあげようか』



 逃げられた挙句、危うくとんでもない恥ずかしいことをされそうになった。



(言葉は通じるのにどうして文字は読めないんだろう……特殊な補正とか掛けるんだったら、文字にも掛けてほしかった……)



 小さい子にするような読み聞かせをされるのは、はっきり言って嫌だ。恥ずかしくて仕方がない。それでも、必要になれば頼むしかなくなる。

 読み聞かせだけはどうしても回避したい。


 この数日の行動で、玄武についても少しわかった事がある。

 


(玄武さまは、私をとことん甘やかしたいらしい)



 移動は基本姫抱きにされる。鈴音が歩くのはほんの少しだけ。

 一度外に出たいと話をした時には、抱かれたまま庭を回る羽目になった。

 人の目がないから多少マシではあるが、恥ずかしいことには変わりがない。そのそも人の目がないからといってやる行動でもない。



『小さな身体では私に合わせて歩くのは大変だろう?』



 鈴音はそんなに小さくはないし、多少小走りになればついて行ける。玄武ならばきっとゆっくり歩いてくれるだろう。なのに、どうして抱き上げるのか。



(当然だろう?みたいな顔して言われると困るの!)



 玄武に比べれば、大抵の日本人は小さく見える。それくらい、彼は大きい。鍛えているのも抱きかかえられることで嫌でもわかった。


 食事の時も変わらず降ろそうとはしてくれない。膝に乗せたまま取り分けて、食べさせる。鈴音には、食器どころか箸すら持たせてくれない。はっきり言わなくても餌付け確定である。



(玄武さまは私の事子供かなにかだと思っているんじゃないかな)



 そうじゃなければどう考えてもおかしい。神様だからきっと人間は小さい子供の様に見えているのだろう。



(だったら深く考えるのもおかしい……?)



 玄武に触れられる度に恥ずかしがってしまうのは、よくないのかも知れない。

明日の更新はお休みです。

閲覧ありがとうございました。

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