2章プロローグ
同時刻に二話投稿いたしました。この話は二話の内の二話目です。「続きは何処?」という方は一話戻って頂ければ読む事が出来ます。
それでは2章も宜しくお願いいたします。
「如何してこうなった……」
物語では良くあるすべり出し。それをユキは心底噛み締めて呟いていた。
今日は入学式当日。ユキ達の現在地はユキ達が入る事になった高等部1年A組の教室である。
机と椅子がセットで12個。そのセットが黒板を正面に縦3列、横4列で並べられていた。最初から座席は決められており、ユキの席は最前列の左端だった。そして、その隣の席がスイだった。
出席番号で言う所の1番に当たる席にいるのがユキで4番に当たるのがスイだ。
二人共同じ制服を着こみ、その上からローブを身に纏っている。
そう同じなのだ。ユキは学園側――正確には服を作っている業者――の手違いで届けられた女性用の制服を着て授業に出る羽目になっている。それだけでも億劫なのに胸元に着けられた校章がさらに溜息を増長させていた。
そこにはとある一文字が刻まれていた。
『S』
ユキはその校章を見てまた溜息を吐く。そう、ユキのクラスは厳密にはAクラスではない。
Sクラス。それがユキの正しいクラスだった。ただ、そのクラスは全学年を見てもユキを除いた他にたった一人しか存在しないクラスだった。
何故その様な事になってしまったのか。それは入学試験で起こったとある出来事がキッカケだった……
はい。何かそれっぽい引きで終わらせてみました。
ただし、その出来事は特に大した事ではありません。だから程々の期待で待って貰えたら幸いです(汗




