千尋、すみれちゃん友紀は居酒屋へ。はじめての…。
ビッキー
という小さな居酒屋。
店に入ると客は
カウンターに少し。
座敷に座る。
バイトの女の子が
水とおしぼりを。
飲み物の注文を聞く。
千尋は緑茶割り
すみれちゃんはコーラ
友紀は
ノンアルコールビール。メニューを見ている
すみれちゃんに
「好きなもの
注文してね…。」
友紀は話しかけた。
車の中では
話しかけても
千尋に影に
隠れる様にして
もじもじしていた。
今はテーブルを挟んで
目の前にいる友紀に
目を合わせ
話してくれる。
“かわいいな”
6年生にしては
幼い感じ。
素直である。
“いい娘に
育っているな”
とんかつ、えだまめ
おしたし、焼き鳥
えびの塩焼き
本当におつまみ。
すみれちゃんは
学校での話を
してくれた。
今日の出来事も。
千尋もニコニコ。
お互いに
突っ込んだり、
突っ込まれたりして
笑っている。
楽しい時間である。
友紀も加わる。
3人で笑いあった。
千尋がトイレに立つ。
友紀は
すみれちゃんに
「ちょっと待ってて。」
告げるとカウンターに
おしぼりを取りに。
トイレ近くで
千尋を待つ。
出てきた千尋に渡す。
2人でテーブルに。
いつもの行動だが
すみれちゃんと
2人きりになる
勇気もなかった。
しばらく
飲んだり、食べたり
笑っていた。千尋がトイレに。
おしぼりを取り
すぐに席に戻る。
すみれちゃんと
話し始める。
今流行っている
遊びを教えてもらう。
お返しに
友紀のおじいさんに
教えられた
“鼻の高さ比べ”
を教えた。
何てことはない
中指を曲げ
親指とで輪を作る。
人差し指、薬指を
支えにし
「鼻の高さを
比べよう。」
と言い、
狐のような形の手を
相手の鼻にかぶせる。
最初に自分の鼻にあて
「僕の高さは
これぐらい。」
と見せてから
相手の鼻に。
あとは、デコピンの
ように鼻を弾くのだ。
友紀はすみれちゃんに
千尋がトイレに
行っている間に
教えた。
千尋が戻ってきた。
2人がニヤニヤ
しているのを見た。
「何~?」
異変に気がついた様。
友紀がすみれちゃんに
目配せを。
すみれちゃんは
「鼻の高さ比べ
しよう。」