#01:誰が誰の何を盗んだのか。その真実を探るべく、我々はジャングルの奥地へと向かったーーー
ジャングルにはなんでもあります。
食料、未知の生物、原住民、鉛筆など。
追記2026/05/06:誤字修正しました〜
「ということなんで、準備しましょう」
「何を?」
放課後。
教室で私、奈々は困惑していた。
目の前でジャングルに行こうなどと宣い出したのは美香。
私の前にいなければ完璧美人な女の子だ。
「知っての通りだと思いますが、現在クラスで正体不明の人物により、正体不明の人物からようわからん物が盗まれる事件が発生しています」
「知らないよ。そして被害者と盗難物まで正体不明なことあるんだ」
「あるから栄えある第一話のタイトルがこれに決まったんじゃないですか」
「メタいメタい。それはそうと、じゃあジャングルはなんなのさ」
そこだ。
この際、後でセカイ系のでかい話にしたかったとか、思わせぶりな発言で匂わせたかったとかみたいな不満は捨てる。というか作者の都合とかどうでもいい。勝手に困ってろ。
なんでジャングル?宮○探検隊じゃあるまいし。
「ん?」
「は?」
「ひ?」
「絶対言わないからな」
「ちぇーっ、まぁ良いでしょう。この際だから教えてあげましょう。ただし…事実と向き合う覚悟がおありならば、ね」
「くどい。早く教えろ」
「まぁ話は単純ですよ。ただ市松君が冬馬君から鉛筆を200本盗んで、それがジャングルにあるらしいってことを帆村さんが尋問で突き止めたってだけです」
全部わかってるじゃねぇか。
そして市松はどんだけ鉛筆好きなんだ。いや冬馬も。
あと、帆村さん凄いな。
「本当にジャングルにあるの?絶対嘘だよ?100%ブラフだよ?私の純潔かけてもいいよ?」
「言いましたね、良いですよ。じゃあ私が負けたら私が奈々ちゃんの純潔を汚します」
「乗っ…るか。明らかに私にデメリットしかないだろ」
「しょうがないですね。私が負けたら私の純潔を奈々ちゃんに捧げます」
「それ結局私にメリットなくない?というか確かめようがないでしょ」
ジャングルってどこのだよ。
少なくともうちの高校は都会だから森林すら無いぞ。
「それは安心してください。柿沼君を隊長に現在捜索隊が南アメリカ大陸に派遣されています」
「南アメリカのジャングルなの?そのジャングル」
「はい。尋問で市松君が……」
〜少女回想中〜
『探せ。鉛筆の全てを、そこに置いてきた』
うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
〜回想おしり〜
「って言ってました」
「南アメリカ要素どこだよ」
市松一言も南アメリカの「み」すら言ってないぞ。
あとなんだ、あいつ自分が海賊王だと思ってたの?
そしてなんで皆雄叫びあげてんだよ。
鉛筆にそんな喜んでんの?
「あ、いや。市松君が捕まってるのに喜んだ人がほとんどです」
「しれっと心読むなよ」
「いや、奈々ちゃんの脳波をスペクトル解析にかけて調べただけです」
「そっちの方が怖いよ。機械とかは見当たらないけど?」
「そりゃあ、ね?ここが違いますから」
「器用だな。どうやって2音同時に出した」
「あ、ちょっと静かに。柿沼君から連絡です」
美香はそういうと、無線機を取り出した。
いや、日本から南アメリカまでは届かないでしょうよ。
そのタイプだと良くて10kmとかだった気がするけれど。しかも障害物なしで。
『こちら、No.3。応答せよ』
「こちらNo.8、感度良好。続けて、どうぞ」
繋がるの?なんで?
『現在ナポ川中流にて待機中。結果が確定したため報告する』
「了解。結果を報告せよ」
いや、もうこれ確定でしょ。
『調査の結果、源流から下流に向けて1km間隔でその岸に埋められているのを確認した』
「ご苦労。全て回収し、帰還せよ」
『了解』
ほーら見ろ。
連絡が来てる時点で、それは見つかりましたと言ってるのと同じだ。
報告が早すぎるもん。世界のどこのジャングルにあるかも分からんのに。
というか、なんでナポ川なの?アマゾン川とかあったでしょ。
1kmという間隔も謎だ。なんで1kmなんだ。
「いろいろツッコミどころはあったけど、よかったね」
「ほんと、これで冬馬君の首も繋がったままです。良かったですよ」
「冬馬何したんだよ」
鉛筆200本無くなったことで資金がヤバいって母親がマジギレした?
いやオーバーでしょ。
じゃあなんだ、鉛筆失くして死ぬほどショックだったとか?…まだ生きてるな、冬馬。
「ところで、奈々ちゃん。忘れてませんよね?」
「……なんの話?」
「純血の話ですよ。私が勝ったので…ね?」
「ねじゃねぇよいや私も美香のこと好きだけど今じゃないっていうか」
「はーいそのうるさいお口黙らせてあげますからね〜」
「ちょっ、まーーー」
そうして私は純潔を美香に奪われましたとさ。
まぁ既に4年前の時点で美香に純潔奪われてるから初めてではないけれど。
「鉛筆回収してきたぜぇ〜って、」
「あ、柿沼助けろ。幼馴染に襲われてる」
「なんだようやくかよ。おっせんだよダボがぁっ!!」
柿沼は物凄い勢いで扉を閉めた。
そしてどっか消えた。
なんで?助けろよ。
「ほら、奈々ちゃんここ好きだもんねぇ」
「やっ、そこやだぁっ」
次第に薄れゆく、ぼんやりとした思考の中で。
私は美香の顔を見ながら思った。
ーーー柿沼、帰るの早くね?
次は埋蔵金掘りたいのでオムライス食べます。
それでは。




