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かれこれ数百年前の話とのこと

「あれがリーフテン・ベルクか」


 馬車に揺られること3時間、地平線の遠方から現れた城壁とその中心に聳え立つ塔が揺れ動く馬車を出迎えた


 出迎えた都市の正式名称は

『元貿易中心都市リーフテン・ベルク』


 その名の通り元々は貿易の中心都市として栄えていた都市であり、来るもの拒まず出るもの居らず、島で頭ひとつ抜けた人口を保有する都市だった


「何故元なんだろう」


 馬車の中、揺られる2人の内、若い方が疑問をふと口にした。その疑問は見えてきた城壁から生じた物だった。古びていながらもしっかりとした作りの城壁、離れて居ながらもその様子がしっかりと見てとれた


「気になられますか」


 馬車の中、揺られる2人の内、年老いた方が葉巻を取り出し口に咥えると火をつけた。馬車の中に立ち込める甘い果実のような匂いはこれから話すであろう衰退という苦味を抑えるべく老人の気遣いにすら思えるだろう


「始まりは重さを持たない鉱石からでした」


『重さを持たない鉱石』───生み出す力場をぶつけ合い自らの質量を疑似的に消失させる鉱石


「あれの有用性は瞬く間に広がりを見せました。重さを持たない性質を利用して積載荷重を大幅に増やし物流は発展を見せました」


 そこまで言い終えると老人は葉巻をひと吸いし、吐き出した


「合金にすることで武器に、コンクリートと合わせることで建材に至る所に使われました」


「それは凄いですね」


「しかし、便利さは同時に争いの元となりました」


 老人がそこまで話し終えると馬車が止まり扉が開いた。馬車の扉から見える城壁からいつの間にかリーフテン・ベルクの門近くまで来ていたようだった

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