火星人はよく地球に攻撃をしかけてきているが 金星人は攻撃をしたことがない。 最近、地球に不時着した3金星人が捕獲され 大事に保護されている。
火星人は地球人よりやや大柄な体格で
人間と同じ前方を見る目が2個と
左右を見る目が2個、耳元付近にある。
いわゆる、4個も目があるのだ。眉はない。
あまりの気温低下で目がやられた時の予備なのだ。
そして、2足歩行だが、両手両足の指は3本ずつで
地球人よりも各2本ずつ少ない。
これも凍傷予防のために少ないのだ。
一方、金星人は小型生物で身長が1m程度しかない。
ただ頭には前と後ろに大きな目が1個ずつある。
2足歩行は同じだが、指は各6本ずつもある。
そして、耳がなく目が耳の機能も兼ねている。
火星人はよく地球に攻撃をしかけてきているが
金星人は攻撃をしたことがない。
最近、地球に不時着した3金星人が捕獲され
大事に保護されている。
各惑星の言葉が違っても
自動翻訳機能がモバイル・ウオッチについているので
コミュニケーションができないことはない。
又、不時着した3金星人によると
地球人と友好関係を締結したい意向があるようだ。
恐らく、火星の攻撃に対抗するため
地球との軍事同盟を結びたいのだろう。
「おっ、踊ってるぞ」
金星の編隊が左右に翼を揺らしダンスを始めた。
「友好のダンスだ。よし、こっちも踊るぞ」
銀河は機体を左右に揺らし
同じ様にダンスをして応える。
結局、金星人は遭難機の探索を兼ね
地球上に遊びに来たにすぎなかった。
金星(Venus)は地球とよく似たサイズの惑星だ。
地球と同様に大気を持ち
地球にある程度似た気候を持つ。
地球のすぐ内側を回る惑星で
直径は地球の95%、質量は地球の80%だ。
液体の水がなく
金星の表面は鉛さえもが溶けてしまうほどの高温。
活発な火山活動が存在する。
金星は暑く乾燥した天体だが
誕生してまもないころには
大量の水が存在し海があったのだ。
いわゆる、原始地球と同じような環境だった。
しかし、その後太陽の光度が増し
金星の海は永遠に失われてしまった。
水星と木星に生命体が存在する
という証拠は見つかっていない。
そして、地球の科学研究隊による調査では
金星人が最も知能が高く
続いて地球人、火星人となっている。
しかし、宇宙科学兵器などには
大きな性能の開きはない。
互いに不時着した機体や生命体を捕獲して
精密に研究してきているので
相手の惑星に対する知識は深い。
そして、金星の医療技術は宇宙一ということが
不時着した金星人の説明からわかっている。
救いは、地球上に地球人同士の戦争がなく
一つの地球になっている、ということだ。
人間同士の些細な争いはあるが
歴史が語る国家間の戦争は皆無なのだ。
神から与えられた寿命の中で
自分のできる精一杯のことを成し遂げる。
地球人の最後の1年間は
神仏に近づく精神状態で
静かに人生を過ごすという
「人間本来の姿」を全うするのだ。(6)