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 眩しい程の煌めく宝石で飾られたエントランス。 王宮のオートマチック・ドアがスーっと開いた。

「エアポートが小さいなあ」

金星にランデングして

銀河と岸田が感じた最初の印象だ。 


「ダイレクトに王宮に向かいます。

この空港に機を残し、角盤で飛びます。10分で着きます」

と、王子が微笑んで言う。

角盤はひし形で

銀河達は初めて見る不思議な飛行物体だ。


「全てがミニチュアに見えますね」

岸田が驚いて言う。

身長1m程度の金星人にとっては普通なのだ。


「あれっ、室長、下を見てください。

道路がベルトコンベアーみたいですよ」

「何? おお、道路が動いてるぞ」

金星のほとんどの道路は自動で動き

金星人は歩行することが少ない。


「あれが王宮です。角盤の着陸時には

ルーフ(屋根)がオートマチックに開きます」


 角盤から降りる階段もエスカレーターで

降りたカーペットもオートマチックに

ゆっくりと音を立てずに動く。

黙って立っていると、目的の場所に着くのだ。


 眩しい程の煌めく宝石で飾られたエントランス。

王宮のオートマチック・ドアがスーっと開いた。

賑やかな音楽に合わせて大勢の小柄な金星人が

歓迎の舞を踊っている。


「どうぞ真っ直ぐ進んでください」と、王子が言う。


 中央奥を見ると、透明のカプセルの中に

キング(王様)が堂々と座っている。

カプセルの前に立つと、ドアが音もなく開いた。

その瞬間、数10名の金星の特殊部隊が

天井から「シューッ」と降りて来て

銀河達に銃口を向けた。


「何だ、おい!」


銀河達は両手を上げて立ちすくむ。


「ストップ、味方だ」と、王子が部隊に言う。

そして、王子が中に入って行くと

王様が立ちあがって王子を出迎え

抱き合って再会を喜ぶ。


「王様、この人達のお陰で

無事帰ってくることができました」

「そうか、地球の方々、ありがとう。

ゆっくり遊んで行ってください」


「ありがとうございます。

王様、私たちはそうゆっくりしていられないのです。

早速ですが、一つお願いがございます。

私の母が末期の胃がんで危篤状態なのです。

どうか助けていただけないでしょうか」


「わかりました。

今、ドクターに MLG  医療レーザー特殊光線銃を

持って来させます」


 ドクターが MLG を持って来る間

銀河と岸田は動くテーブル上の食べ物や飲み物を賞味したが

決して美味しいものではなかった。

 又、種類は異なるが、全て地球の食べ物の

半分の大きさのように銀河は感じた。 (10)

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