手に汗を握る小説の展開にあなたはついて来れるだろうか。
宇宙が身近に感じられて来た作今、夢の月世界旅行も近いかも。
神秘に包まれた果てしない宇宙で、地球の敵GODと戦う地球軍隊を描いた
ドキドキする小説です。
アース・ア―ミィ「地球軍隊」(1)
西暦3012年、地球は46億歳になる。
地球は太陽系にある惑星の1つで
表面には生命の存在に欠かせない
液体の水が大量に存在し
多種多様な生物が生存する星である。
そして、この惑星を支配しているのが
表面上は人間なのだが
実際は得体の知れない神(GOD)が支配者である。
かつてこの神の姿を見た者は地球上にいない。
3012年の地球は
人間と言うアニマルが「運命の生命体」となっていた。
この「運命の生命体」とは、人間は生まれながらにして
個々に寿命が決められていることを意味する。
「オギャ~、オギャ~!」
「男の子です。早速背中を見てみましょう」
背中に青い光が「ピカ~ッ」と光った。
「おお~、55 です。55 年の寿命です。
おめでとうございます」と、ドクターが言う。
人間は、背中の頸椎辺りに
青い数字がタトゥーの様に刻印されて誕生する。
数字の大きさは手の親指の爪程度で小さい。
そして、その数字がその人間の寿命を表しているのだ。
1年毎にその数字が自動的に減っていくので
自分の寿命を忘れた時は、背中を鏡で見るか
他の人に見てもらうかしなければならない。
ここでは、日本の「地球軍隊」の物語である。
各国にも存在するが、日本の軍が地球を救うという
設定で書かれている。
3012年の地球人は5歳になると
「アース職業セレクトセンター」で
一生の仕事が自動的に決められる。
そして、職業が決まれば、一人前になるための
「教育10年ライン」という軌道に乗せられる。
ここに自分の意志の介入は一切できない。
又、「教育10年ライン」に乗ったら
無情にも親子兄弟との縁は、一旦そこでカットされる。
「アース職業セレクトセンター」の特別室に
銀河という少年と母親の2人がいる。
無数の職業ランプの点滅がスタートし
赤、青、黄、緑などカラフルなランプが忙しく点滅する。
ランプが止まった所がその人間の職業になるのだ。
これは全て神がコントロールする
コンピューターによって決められる。
銀河は電子ヘッドギアを頭に被り
スペシャル・チェアに腰かけた。
母親は、隣接する控室の窓から銀河を見る。
「ピッピッピッピッピッ!」
ランプが止まった。その止まった所だけが光る。
そこには「地球軍隊」と表示された。
「鴻池銀河君、カプセルに入ってください。
これから地球軍隊の教育ラインへ向かいます。
保護者の方はここでお別れです。
5分後にカプセルが自動的にスタートします」
可愛い5歳の我が子を抱きしめる母親と
母親の胸にすがる子どもがいる。
互いに涙を流しての別離の瞬間だ。
「銀河、立派な兵士になるんですよ。
10年後に再会しましょう」と、母親が言う。
「ママ、行って来ます・・・・・」
銀河は、別れの悲しさで言葉にならない。
「ビィーッ ガシャン!」
カプセルのドアが閉じられた。
1人乗りの銀色のカプセルに乗せられた鴻池銀河は
「キィーン!」という運命音とともに
暗闇の「高速教育ライン」を時速500キロで突っ走る。
そして、わずか10秒で
自分が一生を捧げる職業に就くための教育機関に到達した。
「ようこそ、鴻池銀河君。涙を拭きたまえ。
君に与えられた職業は、名誉ある地球軍隊だ。
君はここで10年間の教育を受け、実戦配備される。
しっかり頑張ってくれたまえ」 (続く)