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大坂の陣で豊臣軍と戦う宮本武蔵  作者: カイザーソゼ
11話 天王寺・岡山の戦い
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11-7

 家康は本隊の指揮権を本多正純に預けて、本陣だけを後方の川まで下げた。

 家康本隊一万五千は現状の位置に留まった。


 正純は酒井隊を前に出して時間を稼がせた。

 酒井隊が前進した事で本隊正面が空になった。正純は横の忠直隊の後衛から達磨落としのように部隊をスライドさせた。

 水野勝成隊、松平忠明隊、本多忠政隊が本隊の前に出た。


 本多隊、榊原隊が水野隊の所まで逃げてきた。正純は敗残兵を収容して態勢を立て直させた。


 正純は改めて陣地から出ない事、集結中の義直隊、頼宣隊を待って攻撃する事を命じた。


 本陣は川の土手まで後退した。

 家康は一人で土手に上り、望遠鏡を使って戦況を眺めた。


 岡山は勝っている。茶臼山も勝っている。天王寺だけが負けている。二勝一敗だった。


 岡山の前田隊は防御陣地に猛チャージを仕掛けた。秀忠本隊から派遣された支援部隊も競うように攻めかかった。

 治房は弟の部隊を投入して必死に耐えた。


 茶臼山、天王寺の忠直本隊は防御陣地を大火力で攻撃した。

 幸村隊の反撃は弱かった。竹束の後ろに籠りきりで、たまに顔を出して銃を打ったかと思ったらすぐに隠れてしまった。そもそも弾薬集積量が足りなかった。

 幸村隊は秀頼の到来を信じて陣地を死守した。

 余裕が出てきた忠直は別動隊Bを南下させた。


 毛利隊は土井隊に猛攻を叩き込んだ。

 土井隊は敵の攻撃と味方の脱走に苦しみながらも、何とか耐えて踏み止まった。体を投げ出す捨て身の守備で敵エースの突破を阻止した。

 毛利隊の前進が遂に止まった。


 酒井隊、忠直別動隊Aが救援に駆け付けた。三隊は共同で毛利隊を押し込んだ。

 毛利隊は本多隊の元の守備陣地にも入れないまま北に押し上げられていった。

 その北からは別動隊Bが南下してきた。


 ようやく義直隊、頼宣隊が戦場にやってきた。二人は土手に上がって家康と面会した。

 二人は頭を下げて遅刻を詫びた。

 家康は顔を上げるように言った。


「いや、お前達が悪い訳ではないよ。

 さあ行け。敵は駕籠の中の鳥だ」


 義直隊、頼宣隊計三万は前線に向かった。

 家康はまた望遠鏡を使って戦場を見た。


 毛利隊は別動隊Bの南下を見て浮足立った。土井隊は一気に押し込んで毛利隊を打ち破った。敗残兵は北東方面へ逃げていった。


 四隊は北上して天王寺で忠直本隊と合流した。

 家康本隊、義直隊、頼宣隊、忠直隊後衛も北上を開始した。


 天王寺の幸村隊は最後の突撃を敢行した。

 忠直本隊は死兵突撃に押し込まれた。

 逆サイドにいた井伊隊が全速力で突っ込んできて側面攻撃を仕掛けた。

 幸村隊は横槍で粉砕された。


 忠直本隊は茶臼山、天王寺陣地を突破した。

 前田隊は岡山陣地を突破した。


 午後一時、幕府軍は全線に渡って逆襲を開始した。

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