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大坂の陣で豊臣軍と戦う宮本武蔵  作者: カイザーソゼ
10話 道明寺の戦い
126/145

10-12

 伊達、松平隊は竹束と銃を構えて前進した。


 渡辺隊は神社の土塀から上半身を出して銃撃した。

 幸村隊は門前街の東側に竹束を並べて迎撃した。


 敵味方は距離五十メートルで打ち合った。

 幕府軍は練度と弾薬保有量で幸村、渡辺隊を押し込んだ。

 両隊は十分に火薬を詰めない内に急いで打った。銃弾は幕府軍の手前に落ちた。

 逆に幕府軍の銃弾は土塀や竹束に激しく当たり続けた。


 渡辺は土壁から上半身を出して銃を構えた。

 幕府軍の銃弾が左肩を打ち抜いた。渡辺は倒れて地面に尻もちを突いた。

 周りの側近が駆け寄ってきた。渡辺は「俺はいいから打ち続けろ!」と怒鳴った。


 敵の攻撃が激しい。幸村はラインを下げた。


「部隊を誉田村まで下げます」


 幸村隊は前衛を残して門前町に後退した。前衛は本隊の移動が完了するまで打ち続けた。

 渡辺隊は神社から出て前衛と合流した。


 幸村隊は街の道路や交差点に竹束を並べて迎撃拠点を作った。

 前衛は後退して迎撃拠点に入った。


 伊達、松平隊は門前町に乗り込んだ。

 敵味方は市街地戦に突入した。


 両者は近距離で激しく打ち合った。

 指揮官は疲弊した前線部隊を下げて、後方の本隊から新手を送り込んだ。

 後方に手負い、残弾ゼロの部隊が増えていった。


 最初に渡辺隊がギブアップして藤井寺まで後退した。

 次に松平隊が戦闘限界に達して道明寺まで後退した。


 最後に残った幸村隊と伊達隊が正面から打ち合った。

 矢玉がなくなると石を投げた。民家にあった釜や包丁も投げた。建物の瓦を剥がしてぶん投げた。

 歴戦の兵士が次々倒れた。弾薬保有量は止めどもなく減っていった。


 昼過ぎ、伊達隊は遂に道明寺に後退した。

 幸村隊も限界だった。前線の兵士は地べたに座り込んで下を向き、荒い呼吸を整えていた。後方の兵士はムシロの上で痛みにうめいていた。追撃する余力はなかった。


 水野、本多隊の古墳を巡る攻防は膠着した。

 伊達、松平隊は門前町を挟んで幸村隊と睨み合った。


 藤井寺には無傷の毛利勝永隊三千が控えていた。

 石川の東岸には新手の松平忠輝隊一万二千が控えていた。

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