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大坂の陣で豊臣軍と戦う宮本武蔵  作者: カイザーソゼ
10話 道明寺の戦い
123/145

10-9

 井伊隊は玉串川東岸の土手に竹束を並べて銃を構えた。


 井伊隊は三つの部隊に分かれていた。

 土手の北側に重臣の庵原朝昌隊千。一時は水野勝成に仕えていた。

 南側に井伊一族の川手良列隊千。

 トップ下の位置に井伊直孝の本隊千が控える。ひこにゃんのモデルになった武将である。

 先鋒隊二千と西岸部隊四百は川を挟んで打ち合った。


 玉串川の川幅は二百メートル。この距離では打ってもまず当たらないが、打ち続ければ怖がって反撃しなくなる。

 先鋒隊は連射で圧倒した。敵は怯んで竹束の裏に隠れた。先鋒隊はその隙に土手を下って川に入った。

 水深は脛が浸かる程度。先鋒隊は歩きながら連射した。


 五十メートルまで接近すると玉もしっかり当たるようになった。西岸部隊は打ち崩されて敗走した。

 先鋒隊は川原を走って土手を駆け上がった。西岸は占拠された。


 味方は土手の上から若江を見下ろした。

 西岸部隊はあみだくじのようなあぜ道を伝って西の西郡村に逃げていた。

 西郡村の守備隊千は地面に座り込み、疲れた顔であくびをしていた。

 村の北西に別動隊、西に本隊が見えた。


 敵の数はこちらの二倍。しかし無茶な行軍で疲れ切っていた。今行けば勝てる。

 川手は一人で土手を駆け下りた。部下は「命令は土手までです!」、「抜け駆けは重罪です!」と叫んだが、川手は聞く耳を持たなかった。

 指揮官を見殺しには出来ない。川手隊はなし崩し的に突撃を開始した。


 庵原は考えた。

 命令は「土手の敵を排除して安全を確保する。後続を待って総攻撃」だった。しかし敵に時間を与えれば回復する。八尾の藤堂隊も気になる。


 庵原は片手を振って攻撃を指示した。

 庵原隊は土手を駆け下りて突撃を開始した。


 東岸の井伊は舌打ちした。

 しかしここで怒っても何も変わらない。前線でしか見えないものが二人には見えたんだろう、と自分を騙して怒りを止めた。


 井伊本隊も川を渡って若江方面に進出した。


 西郡守備隊は村から出て川手、庵原隊を迎え撃った。逆に西岸部隊は西郡に逃げ込んだ。

 両軍はあぜ道や小川の土手の上で打ち合った。


 木村本隊は西郡に向かった。北の別動隊は増援を警戒して動けなかった。


 最前線の川手は深入りして打ち殺された。

 井伊本隊は指揮官を失った川手隊を後退させた。代わりに本隊が前に出た。

 庵原隊は守備隊を蹴散らして西郡に接近した。守備隊は西郡に逃げ込んだ。


 木村本隊は前進して西郡の東に出た。庵原隊は木村本隊と激突した。

 井伊本隊は木村本隊の南に回って側面攻撃を仕掛けた。木村本隊は崩れて西郡まで敗走した。


 幕府軍三千が若江北部に現れた。

 北の別動隊は新手と睨み合った。

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