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⑻『矛盾帝国』

⑻『矛盾帝国』



死体なる帝国にならないために、我々は矛盾帝国を、どうにかして光の差す方へと、導かねばなるまい。それは、云わば、痛切になるであろうところの、国民による国民のための、帝国の改革である、それは、革命となる。



何れにせよ、目的の到達のために、小説は序章から最終章まで運ばれ、それが小説の墓場となるが、小説家としての役目が終わる訳ではないだろう、くらいの神の戯言には、反逆するだけの力を、蓄えて置かねばならない。



万事塞翁が馬と言う言葉すら、我々には懐疑するだけの能力がある様だと、様々なる先人の小説を思い出すと、思い直せるのである。物事を恐れては駄目だ、と言われても、さあ、矛盾帝国はどうするだろう、その行く末を見届けたい。

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