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⑵『矛盾帝国』

⑵『矛盾帝国』



そもそもが、矛盾を来たす様に、世界は出来上がっているのである。理想と現実、これは人類の永遠のテーマであろう。『資本論』という理想があったとしても、現実を生きる我々は、それを現実化できないことは、自明の理だろう。



人生だってそうだ、こありたい、と思っても、こうしかならない、と言った現実がある。我々は、矛盾帝国を受け入れるしかないだろう。当たり前のことなのだ。何もかもうまくいくようなら、戦争など起こるはずがない。



であるからして、寧ろ、非理想的な小説が、人気を博すのも、分かる気がする。西村賢太の小説などは、非常に現実的である。資本論より上と言えば、識者は起こるだろうか。しかし、西村賢太の小説のほうが、売れている、矛盾してはいまいか。

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