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私と云う女

あなたは、もうひとり、あなたが、この世に、もしかして存在するとしたら、その、もうひとりのあなたを愛せますか。

私は生きている。真っ逆さまに、生きている。北上する特急列車の中。化粧を直す。私は女性しか愛せない。私は私しか愛せない。東京から新幹線に乗り、姫路で特急に乗り換え、鳥取へ。もう一人の私が住む鳥取へ。私の名は、堤真優。私が会いに行こうとしている女性も堤真優。私は、35歳。AB型、ヘビースモーカー、独身。スマホに目をやる。好きだった、芸人が死んだ。若くで。あと、数駅で鳥取だ。煙草を吸いたいな。今、煙草が厳しいからなぁ。それぐらい、吸わせてよ。真優からLINE。駅に着いたら、電話をしてくれ、迎えに行くとのこと。私もLINEを真優へ返した。ペットボトルの水を一口。世間では、LGBTだかなんだか。最近、ニュースでもよく、話題になっている。私か。ナルシスト、レズビアン、ガールズラブ。そうだな、私は私しか愛せない。とか、考えているうちに、鳥取だ。スーツケースを下ろす。電車を降りる。改札をくぐる。真優に迎えに来るようにLINEした。この週末、二人の堤真優はどれほどの愛を育むのだろうか。私はきれいな女だ。真優も勿論、私なのだからきれいだ。美人だ。可愛い女。私は喫煙所でキャメルに火を点けた。ナルシストって、いったい何。なんだろう。私たち、二人の堤真優は何もなのであろうか。煙が空に舞い上がることを確認し、私は真優の車をロータリーに見つけた。

生きること。愛すこと。自分自身を。自由な世。ここはどこであるのか。私は私を愛す。

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