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雨の雫ですら拍手喝采の様に感じている。
歌夜さんは私の手を半ば強引に引いて歩く。
そう、財布は何とか掴んだが戸締りをしていない事に若干の不安が残るが家の中身などくれてやる。
何故か彼女は、彼女って言うとなんだか付き合っている相手の様でおこがましいな。
……彼女は傘を2人がさすと邪魔だとお考えのようで、「私の傘大きいんだ。きっと君とふたりで入っても余裕だぜ」との事。
歌夜さんのカジュアルな服装にハイヒールは歩きにくかろうと歩く速度を緩めると置いていかれるほど彼女、の歩みは早かった。
手こそ繋ぎはしないが自然と傘の中心部へ寄り、そうすることでなんと、合法的に肩と肩が当たるのだ。
諸君、キモイと思われようが関係ないのだよ。私の勝ちだ。
しかし、いつまでも沈黙というのも良くない。
「あ、雨は好きですか?」
なんだ、この野郎。天気の話題など3流以下のすることではないか。横に居られるのは歌夜さんだぞ。つまらん話題なら黙っていた方がマシである。
「雨、雨ねー好きと嫌いで半々です」
おや、話が続きそう且つ、歌夜さんの事を知れるチャンスなのでは。
「半々ですか、その理由をお聞かせ頂いでも?」
「うん、嫌いな理由は濡れるから。せっかくおめかししたこの服もあ目の前では無力……無念」
「いえいえ、服が少しだけ濡れることによって妖艶な雰囲気と言いますか、その、素敵です」
「あうう、ありがとうございます……」
なぁ、諸君!これはラブコメと言えるのではない出ないか!?