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「では、これを見てから判断してもらおうか」
「ええ、いいでしょう。どれどれ……」
この男、私の携帯を舐め回すように見たあと、身を引いて大きなため息をついた。
動作がいちいち大袈裟でとても気持ち悪い。
人類で決選投票をしたら間違いなく殺せそうである。
人というのは育った環境、立場である程度決まると言われているが、この男の場合どのような戦場で、どのような地獄を見てきたのであろうか。
そうでなければこの男はただの欠陥品と言えよう。
「で、どうなんだ。納得はいったか?」
私は目頭を抑えて、いかにも重労働しましたよー、みたいな態度をとるコイツに冷ややかにかつ、高圧的に尋ねる。
「うーん、合成、という可能性もありますからねぇ」
「ケッ、とことん気持ち悪いヤツめ。私が相談相手を間違えた。もういい、帰る」
「あらあら、そんなに怒ってー。今度いい病院紹介しますよ」
「結構だ。どうせ精神科とか言うんだろう」
「あらま、なんて凄い。どうしてわかったんですか?」
「ぶち殺すぞ」
他に相談相手といえば、美千代先輩か。




