自転車のサドルがケツに突き刺さったので復讐していいか?
一部ノンフィクションです。
よう、俺の名は佐藤マサル、高校二年生だ。現在自転車のサドルがケツにぶっ刺さり中なので、犯人をぶっ殺そうか迷っている所だ。
まあ、正確に言えば刺さったのはサドルではなく、サドルを外したら出てくる鉄パイプ的なあの部分なのだが。
「やれやれだぜ……」
1学期の最終日に、遅刻するのは不味いと慌ててたのが裏目に出た。まさか、自転車のサドルが盗まれるなんてな。しかも、それがケツに刺さるなんてな。油断したぜ。
なので、お察しの通り、ちゃんと確認せずに座ったツケで、見事にケツにぶっ刺さったってワケ。で、犯人をぶっ殺そうってワケ。
よっしゃ、じゃあ行くとしますか。犯人の姿はしっかりと確認しているからな。
「待てやオラぶっ殺してやんよおおおお!!!!!!!!」
「ひいいいいい!?」
見付けたぜ糞犯人! 同じ学校の女子生徒だからって、俺は甘やかしたりなんかしねえ! 男女平等にケツにチャリをインしてやんよ!
「逃げてんじゃねぇぞオラァ!! さっき『よしっ。刺さった♪』とか言ってたよな、ンン!? このケツの落とし前はちゃんと付けろや!!」
「ち、ちがっ! 待って、マサルくん! わたしの話を聞いて!」
聞いてやるが待たねえよ! 後30メートルでお前のケツにズドンだ!
「だって、わたし、わたしマサオくんのことが好きなのーーーーっ!!」
……。
「嘘こけオラアアア!! 好きな相手のケツに鉄パイプぶっ刺して喜ぶ女がどこにいんだよ!!!!」
おちょくりやがってからに! もう許さんぞ!
「食らえや! 前輪で尻三分割!」
――あいつのケツと、俺の前輪が触れ合うその瞬間、
鉄パイプがより深く俺のケツへと食い込み、そして――
俺は、
私は、
真っ青な空の上に居た――。
[つづく]