君に会うために
今年は小説に全力で取り組みます!
暇つぶしじゃなくて、楽しんでもらえるように頑張って書きますので、よろしくお願いします!
はい、リア・クロードです。
ただ今殿下…じゃないレオン様と一緒にいます。
なんてことでしょう!?
「えー…と、レオン様?」
「なんだい?」
「この遠く離れた領地に第1王子であるレオン様みずから視察にこられたのですか?」
「だから、いったじゃないか。君に会うためさ☆」
キラリーン、ううう、眩しい。
それは言っていたけれども…
「冗談ですよね…?」
「本当さっ」
マジですか…
レオン様を狙っている令嬢なんて、掃いて捨てるほどいるというのに。
なぜ私なのですか!?
スタイル抜群で美しいと評判の社交の華、ルディ様を筆頭に縁談があったときいていましたが…
今の素直な気持ちは戸惑い。
「困ります…」
「ああ、子羊ちゃん…君を困らせたいわけじゃないんだ」
「こ、子羊ちゃん!?一体誰のことでしょうか?」
嫌な予感しかしない。
ここには私とレオン様の二人。
ということは
「君のことに決まってるじゃないか☆」
やっぱりですかー!
「い・や・です!」
「さっきから思っていたけど、君ってこんな大きな声でるんだねー」
へえーと興味深そうに見つめられる。
そういえば、家族以外に大声で話すのは初めてだ。
レオン様だから、なのかな。
だって、こんなに私に興味持って、プライベートに踏み込んで来る人は初めて……いや、嬉しくないけどね。
「レオン様こそ、その、私のようなものを選ぶ悪趣味で、ストーカーじみた人だとは思いませんでした……」
「き、君、ズバズバ言うね。まあ、いいさ!君になんと言われようとも僕の美しさは変わらないからね☆」
な、何言ってるんですか……
「リア、王子殿下が来られたとは本当か!」
「遅いです!父様」
田舎だし、仕方ないんだけど。
つい、父様にあたってしまう。
先程から、意味不明のことばかりで私も動揺していたの。
父様は、牛の餌やりにいっていたから、ここから1キロ離れた場所にいたはず。
走って来たのか息が切れ切れだ。
「リア、そんなふうに言っちゃ可愛そうよ~?王子殿下、ようこそこのような所までお越しくださいました」
最上級の礼をとる。
はっ、私も最初にそうするべきだった!
あまりの驚きで忘れていたなんて、言い訳にならないよね。
母様と父様の後に礼をとる。
「ところで王子殿下、リアともう仲良くなられたのですね」
「母様!いつから見てたのですか!?」
「いつからって最初からよ~」
全然気づかなかった。
ていうか、声掛けてくれれば良かったのに。
「ええ!もう、すっかり仲良くなれました。気を使って暖かい目で見守ってくださったのですね?!」
お、おお。
そうなのですか……?
面白そうだから眺めていたのでは、と思う私は心が澱んでいるのでしょうか……?
「リ、リア!王子殿下に粗相をしていないだろうな!?」
慌てふためく父様。
確かに、王子が「ここ気に入らなーい」と言われればとり潰されてしまう小さな領地かもしれない。
だけどね、酷くない?
粗相しているのは、王子の方ではないかと思うの。
あった女性に子羊ちゃんだなんて!!!
可哀想よ。
私を子羊ちゃんに例えるなんて。子羊に失礼ではないかしら?
子羊は私よりとおっても可愛いんですもの。
まあ、王子だから許されるのかな。
多少言動に難があっても。
私は許されないよね。
身分が天と地だもの。
いくら令嬢とはいえ、この辺鄙な領地に住む令嬢と王都に住む煌びやかな王子。
「……する訳ないじゃないですか!」
王子の発言・提案を否定しただけで粗相にならないよね?うん、ならない、ならない……
「そうだよ☆僕と愛を深めていたんだよね?」
は?
何を言っているのでしょう。。。
聞き間違いですかね?
「なんだと!私は許さないからな!例え王子だろうと、まだ嫁には出さんぞ!リア」
いやいやいや、愛、深めていないし。
ただ話していただけなのに、何故このようなことになっているのか……
レオン様のせいか!
「変な発言はやめてください!レオン様!」
「れ、レオン様だと……私は許していないぞ!」
レオン様と呼べと言われたから呼んでいるだけなんですけど!?
不可抗力ですよね?
だって、王子の命令ですよ?
「まあまあ、仲が良くって結構じゃありませんか、ね?」
母様がどうどうと動物を宥めるように父様にいう。
「いや、まあ、仲がいいことはいい事だが……」
父様は母様に弱い。
あっという間に意見を覆す。
味方が……!
「っていうことで、親公認だね☆」
ううん!?
ていうことで、とは、どういうことでしょう?
「え、いや、どういうことでしょう……?」
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ☆」
ううん、恥ずかしがってない!全然!
意味不明なだけです。
「僕たちは晴れて婚約したということさ☆」
そうなの!?
意味が分からないです!
まず、そうですね……
私の意思は!?