戻ってきました
寒いですね………
はい、リア・クロードです。
久しぶりの領地にかえってきました!
はい、ここで拍手!
王子に気に入られたのかも…と気に病んでいましたが、そんな心配はいりません。
だって、ただの女ったらしかもしれないし、万が一、万が一ですよ?
気に入られたとしても、こんな辺鄙な場所にわざわざ足を運ふは思えません。
「はあ…」
「どうしたの、リア」
「王都での疲れだろう。パーティーは緊張したしな」
「あら?私は楽しかったけれど?」
それはお母様が社交的なだけです。
私は疲れましたよ……
きらびやかな人々ばかりで、素敵だったけど、アウェイ感もあって……私なんかがいていい場所なの?ってね。
「私は少し疲れました…」
「そうだね、私もだ」
「そうなの?私はまた行きたいけれど……また一緒に行かない?」
「嫌です」
「嫌だ」
「なんなの2人して仲良い答えねえ。私だけ仲間はずれみたいよ」
くすくすと面白そうに笑う。
誘うどころか、私一人だけでも行こうかしらという冗談か本気かも分からない発言をする。
「まあ、けれど領地は安心するわね」
うんうんとうなづき出す。
それは確かに同意だ。
「そうだな」
今日からまた羊などの世話をしなくてはね。
大変だけれど、やりがいはとてもあるのよ。
「ところで今日の夕ご飯何にしようかしら……」
思い悩む母。
私はやっぱりガッツリとしたものがいいかな。
パーティーでは全然食べれなかったし。
美味しそうなものならたくさん並んでたけど、ほかの令嬢は手を出そうとしない。
なら、それに倣うしかない。
名残り惜しかったが。
ひっじょうに名残惜しかったが。
「レインの作ったものならなんでもおいしいよ」
「なにそれ、嬉しいわ。リア、あなたは何が食べたい?」
「私は、ドリアンがいいかな」
家のドリアンはね、牧場で飼っている牛たちから作るからとっても美味しいの。
たっぷりのチーズがかかっていて………もう絶品!
「じゃあ、ドリアンに決定ね!」
やった!
夕食は母が加工したチーズをふんだんに使ったドリアンが振る舞われたのでした。
トローリ、蕩ける……
美味しさに舌づつみをうっているうちに、私の知らないところであることが行われていたのだが
私はそれにまだ気づいていなかった。
そして、明日気づくことになる。
王都での事の続きが始まろうとしているのだった。
ありがとうございました!