表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子羊令嬢とナルシスト王子  作者: もちうさぎ
6/10

王子様!?

久しぶりです!


レオン・ライナーツ………第一王子………王子!?


「し、失礼しました。

私はリア・クロードです。

本日はお招き頂きありがとうございます。あっえと、誕生日おめでとうございます。で、では」


そう言って去ろうとするとぐっと腕を掴まれた。

へ?


「待って。リア・クロード」


王子の言葉とあらば去ることは出来ない。

周りの視線が気になるし、私、なにか無礼なことしちゃったかな…


「な、なんでしょうか……」


ああ、はやく去りたい、去りたいよぉ。

領が恋しい…


「君は奥ゆかしい性格なんだね。僕が話しかけても、逃げようとする。そんな君のことが気になるんだ」


奥ゆかしい性格なんじゃなくて、臆病なだけなんです!!!

心の中で叫ぶが、届くはずも無い。

気になるなんて、なんて気まぐれなの。


とりあえず、そう、やり過ごさなければ。

もちろん、興味を失ってもらう為に逃げないように、せ、積極的に??


「私、殿下に会うことが初めてで、き、緊張してたんです。

だから、殿下が仰るような奥ゆかしい性格ではないんですよ。

い、一緒に踊ってくれませんか!?」


「うん、いいよ」


え、なんで。

墓穴を掘っちゃった…

積極的な性格は嫌いかなと思って、踊りに誘ったのに…そして断られ、仕方ないけど退散みたいな…


「あ、え?何故です?」


「なんとなく?君から誘って貰ったし」


「私、踊り下手ですけど、それでもよろしいのですか?」


「うん、問題ない」


にっこりと微笑まれ、どぎまぎする。

嘘でしょ……

なんで私なんかに……


体調悪いと嘘を言ってきりぬけるか、駄目だ。

自分から誘ったのに、失礼にあたるよね。

それに、嘘だとばれたら……


もう~~~~~~、私の馬鹿!!!


「…………では、お願いします」


「よろしくね。お姫様」


膝まつき、手の甲にキスをする。

ひゃあっ。

生暖かい。


「踊るの、初めて?」


「は、はい」


「大丈夫。しっかりリードするから」


そして、殿下は言葉通りそうしてくれた。

私が何回か靴を踏みそうになったときも、華麗に避けて…

ダンス、上手なんだな。


そ、そして、近くない?

ダンスって、こんな密着するものなの?

もう少し離れよう………

体を離そうとすると、


「だーめ。踊れないでしょ。密着しないと」


ぐっと腰を引き寄せられる。

ええっ


「僕は、もっと密着しちゃっていいんだけど」


耳元で囁かれる。

ひあっ。

無理~~~~!!!


「あはっ、顔真っ赤で可愛い」


え、え、え、私今顔真っ赤???

恥ずかしい………!


「やっぱり、君いいね」


な、なにがですか!


「なんでそうなるんです!?私はただの田舎令嬢です。か、からかわないで下さい……」


「からかってないよ。あっ、もう終わりだね。あっという間だったよ」


私はものすごーーく長く感じましたっ!


「まだ挨拶があるから名残り惜しいけど、じゃあね」


「はい、ダンスのお相手をして頂きありがとうございました……」


やっと終わったあ。


と思ったら突然現れた王子様は、私を散々からかった挙句に、振り向いて「そうだ、伝え忘れてた。また会おう」と言ってきました。




私はもう二度と会いたくありません!!!

おやすみなさい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ