3時の鐘
よろしくお願いします
3時の鐘が鳴る。
今日は、第二王子の誕生日パーティー。
王宮の門が開かれ、各国の貴族達の馬車が次々と入っていく。
私達も例外ではなく、小さな馬車をガラガラと転がし、初めての王宮へ入る。
「わぁー、すごいわねぇ。初めて王宮に来たけれど、門がとにかく大きいし、田舎の貴族では足元にも及ばないわ。」
母が門を見頽て、感嘆する。
「た、確かにそうだが……。ほら掃除とか大変そうだぞ。」
父が比べられたのを聞いて、軽く反発する。
「あら、使用人に頼めばいいじゃない!でも、どれだけ凄い王宮だとしても、我が家が私にとって一番よ。」
結局、それかい!
なんだかんだで領地のことを愛してるからなぁ。
「まぁ、そうだな。」
軽くホッとする父。心なしか嬉しそうな気がしなくもない。
父と母が、領地が大好きだ的な話をしている間、私は王宮に着くまでの道のりで綺麗な庭を見ていた。
門から王宮までの道のりが、思ったより長かったことで、暇だったし、何よりも庭が凄かったからだ。
庭師のセンスがとてもいい。
色とりどりの花が植えられながも、まとまりのあるものだった。
中には、見たことのない花があり、とても見応えがあった。
他の貴族達も馬車で通り過ぎていく。
あー緊張してきた……
そうだ、壁になろう。
パーティーの始まる前に「私は、壁になる!」という決意をした私でした。
ありがとうございました