いざ、王都へ
王都へ行くらしいです
シャーとカ-テンを開く音がした。
薄らと目を開くと、朝日が差し込んで一気に視界が明るくなった。……眩しいくらいにいい天気。
「おはようございます、リア様」
朝日に照らされた赤茶色の髪がキラキラ輝いている女の人。
メイドのメアリだ。
我が家のメイドは、メアリだけで、家事などをこなしてくれているから、毎日顔を合わせる。
有休、とっているのかしら。
「今日は、パーティーですよ!」
落ち着いている彼女にしては、テンション高めに言う。
「ええ、そうねぇ」
いやだなー。いーきーたーくーなーい。
「着替えますよ!」
「ええ」
「髪を整えますよ!」
「ええ」
「楽しんでいってらっしゃいませ」
「ええ」
「ええ」と言っていたら、いつの間にか馬車に乗っていました。
朝食はどうしたの!?
って思ったでしょ?
朝食は、何食べていたのか覚えていない。
寝ぼけながら食べていたのだろう。
たまにあることだ。
「パーティーだなんて何年ぶりでしょうね」
「そうだな、王都へ行くのも久しぶりじゃないか」
両親は私の前の席に座って、のんびりとした会話をしていた。
私は、流れいく景色を見ながら
まだ着くな――
と祈っていたけど着いてしまった。
昨日の夜は、眠たくてどうでもいいと思っていたけど
朝になったらスッキリしたおかげかパーティーなんて無理!
って感じに。
今は、朝以上に無理だ。
だって着いたんだよ?王都に!
母が窓の外を見て、うっとりとする。
「キレイな街並みねぇ。やっぱり王都は違うわ」
そう、窓から見える景色は緑の草原ではなく、建物だらけの街並み。
人で賑わっている。
お祭りみたい……
悪くない、かも。
パーティーは別だけど!
パーティーはあともう少し