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魔女と鉱石、帰還譚  作者: 空野
Chapitre.3
25/323

3-5

 優雅な鉄の門扉を持った石造りの屋敷は、主人が一歩、その玄関ホールに足を踏み入れた瞬間、何の魔法かパッと部屋中の灯が着いた。

 右の扉の向こう、廊下の先が浴室だと片手で示され、奥にいるからタオルでも何でも好きに使えと促されて。

 御礼を言って使わせて貰った浴室は、昔、家族旅行で一度だけ行った事のある海外のホテルのような、洒落た造りになっていた。

 (しゃ、写真取りたい……!)

 白い石のバスタブ、青灰色の石床。同じ石で出来た洗面台のコックは流麗なアンティーク調の透かし細工。シャワーカーテンの変わりにバスタブを囲う磨硝子の間仕切は美しい植物風の意匠が凝らされた枠を持っている。

 (鏡の枠に猫がいるー!)

 柔らかな曲線を多用した洗面鏡の鈍い金の枠は、よく見ると小鳥や猫が隠れているデザイン。

 「かわいい……ただただ、かわいい」

 実際には、可愛い物を集めたというよりも、この近世的な世界の富裕層的洗練さと流行のデザインを突き詰めた結果なのだろうけれど。その価値観が巡り巡って、二十一世紀女子の心に突き刺さってくる強烈な可愛さに辿り着くという想定外の結果が生まれたようだ。

 「マリー・アントワネットになった気分。もしくは、ディズニープリンセス」

 とにかくそんな妙なテンションの上がり方をしたまま、雪路はサッパリとシャワーを浴びた。そうして身支度を整え直して、ふぅとひと心地着く。

 「ちゃんとシャワー浴びられて良かったぁ……」

 息を吐き、火照った頬を片手でパタパタ仰ぐと、ゆっくりと廊下に出た。

 等間隔に壁に設置された照明が、橙色の光を灯して揺れている。

 「奥にいるって言ってたっけ」

 改めて御礼を言わねばと、雪路はアントワーヌが消えた方の廊下へとパタパタ歩き出した。

 屋敷と言える程度には立派で高級感はあるが、大きさはさほどでも無い建物。すぐに、隙間から灯の洩れている扉を見付けて、雪路は近付き、ノックした。

 「失礼します」

 やや遠くからだが、応えらしきものが聞こえたので押し開くと、そこは食卓だった。落ち着いたブラウンの壁紙に、品の良いシンプルなシャンデリア。四角いテーブルは天板が木製で、細い足は黒鉄という、珍しく現代的なモダンさを感じるデザイン。椅子はそのテーブルとセットのデザインで、三対三の向かい合わせに加え、いわゆるお誕生日席の配置でひとつの、計七脚あった。

 「あ……」

 そのテーブルの上には、パンの入ったカゴを始め、湯気の立つ料理が数皿乗っている。グラスやフォーク、ナイフにナプキンも綺麗に配置され、今にも食事を開始出来る状態。

 メインと思しき大皿の料理から、ミートソースの匂いが漂って、ちょっとお腹が鳴りそうになる。

 雪路は慌てて視線を上げて、室内をキョロキョロと見回した。確かに声がした気がしたのに、アントワーヌの姿はない。

 「あれ?」

 困惑していると、一分も経たずに答えは現れた。雪路が開けた扉とは反対側の壁にある扉が開いて、硝子のボトルを片手に持ったアントワーヌが部屋に入ってくる。

 どうやら奥に厨房があるらしいのが、チラリと見えた。

 「丁度良い頃合に来たな」

 「お風呂、ありがとうございました」

 「ああ」

 ボトルを机に置くアントワーヌは、黒い外套を脱いで、帽子も取っていた。それどころか外套の下のスリーピースのジャケットも払っていて、シャツにベストの軽装。

 室内、しかも自宅なのだから当たり前と言えば当たり前なのだけれど、夜闇に紛れるような姿しか目にした事がなかったので、完全に寛いだ軽装は物珍しい気がしてしまう。

 「食事もまだなら、付き合っていけ」

 席を進められて、ハッと我に返った。

 「え、でも……そこまでは申し訳が……」

 さすがにそこまで良いのかと遠慮が先に立つ雪路に、軽く首を傾げて机上を示した。

 「風呂が閉まっていたくらいなら、食事も片付けられているだろう」

 食器は二組。大皿の料理もカゴのパンも、明らかに一人を想定した量ではない。

 「う……。じゃ、じゃぁ……ご馳走になります」

 食材を無駄にするのは失礼だという思いと、食欲を刺激する匂い、帰っても確かに食堂は閉まってしまっていて何もないだろうという予想が、結局、雪路を席に着かせた。

 (この匂いは卑怯だと思うんだ、おいしいものの前では人類は完全敗北決定なんだよ)

 開き直って漂う良い匂いにウットリしていると、斜め向かいの椅子に着いたアントワーヌは、チラリと視線を横のボトルに動かした。

 「ワインは飲めるか?」

 「お酒は……ハタチまで我慢します」

 興味が無いわけではないが、何となく後ろめたいので断ると、そうか、と伸ばされかけていたアントワーヌの手は、赤い液体のボトルから離れた。

 アルコールのない飲物が必要だと判断したらしい。立ち上がって厨房に入って行くので、アワアワと雪路は無意味に手を上下する。

 「あの、すみません、お手間とらせて」

 「……ニコロの秘蔵品だが、まぁ忘れているだろう」

 すぐに戻って来たその手には、どこかで見覚えのある黒っぽい液体の入った赤い王冠のビンと、おそらく普通のオレンジジュースと思われる液体が入ったビン。

 「どちらが良い?」

 「それ、まさかのコーラですか?」

 こっちの世界にもあるのか、あるいは輸入のような制度があるのか。見覚えのある黒っぽい液体を指して目を丸くすると、ああ、と返答がある。

 「あ、じゃぁ、それで」

 ビンと栓抜きを受け取るつもりで差し出した両手。しかし渡されたのは、見事な適量でコーラが注がれた華奢なグラスのみ。

 「えええ、そんな、自分でやりますから!ごめんなさい、ありがとうございます!」

 止める間もなく栓抜きで栓を開き、グラスに注いで差し出され、ひぃ、と思わず椅子から半腰になった。

 (こ、この人に、コーラのビンなんて開けさせちゃった……)

 この世界では魔女に次いで偉い人だという情報に加え、何しろ見た目がとんでもなく綺麗な人なのだ。気難しくて繊細そうな、人形のように綺麗な人に、どこにでもある栓抜きでコーラのビンを開けさせてしまったなんて、と。蚊を殺すのに特殊部隊一隊を使ったような、とてつもない無駄遣いをしている気になる。

 「客人に給仕をさせるわけにもいかないだろう」

 対してアントワーヌの方は、何でもない様子で再び席に着く。

 「そうは言っても、アントワーヌさん、偉い人ですし」

 「お前は自分も〝偉い〟立場であるのを忘れている」

 フッと、おかしげに少し表情を緩められ、雪路はパチリと目を瞬いた。

 「偉い、ですか……?」

 「ああ、花嫁候補は、特権階級だぞ」

 「でも」

 「冷める前に乾杯したいところだな」

 言い募る雪路を抑えるように、どうぞと仕草で料理を勧められ、むむ、と口を噤んだ。

そう言われてしまえば、冷ましてしまうのも失礼だろうと、仕方なしに言葉は飲み込みしかあるまい。

 ワインを注いだアントワーヌのグラスと、コーラのグラスで軽く乾杯の仕草を取ってから、料理に手を付けた。

 「いただきます」

 ひとまずと、匂いで真っ先に気になってしまっていた料理を取り分けて、一口、フォークで口に運んでみる。

 その瞬間、まだ残っていた遠慮や焦りは、呆気なく銀河の彼方に旅立った。

 「……おいしい。……おいしい」

 思わず二度呟くと同時に、ふにゃり、と、頬が緩んだ自覚がある。空きっ腹に美味しい物が入ってしまえば、その瞬間、大半の小さな煩い事なんてものは、ひとまずどうでも良くなった。

 「おいしい、おいしい。これジャガイモですね、ジャガイモとミートソースが層になって出来てる!うわ、おいしい」

 語彙が乏しいのは十分に自覚している。けれど、だって、おいしいんだからおいしいと言うしかないじゃないか、と雪路はフンニャリ頬を緩めたまま開き直る。

 「おいしい、うわぁ幸せ、なにこれおいしい」

 「……口に合ったのは伝わった」

 アントワーヌは目を瞬いてそう言って、ワインのグラスを傾けた。

 「あ、こっちもおいしいです。これは人参と、なんだろ?茄子と……うん、おいしいです」

 二品目を口にした雪路は、しかしすぐに再び思考を放棄して、舌の上の感覚に丸々降伏を受け入れることにする。

 「何かは分からない野菜ですけど、これ、苦いけど甘くておいしいです」

 「……そうか」

 「シャリシャリなのにシナっとしてて……おいしいです」

 「……ああ」

 「おいしい、おいしい。……おい……あ、分かった、これ絶対玉ねぎだ!」

 「……待て待て待て!」

 ハッと思い付いて呟くと、アントワーヌはグラスを置いて、とうとう笑い出した。

 「え」

 貴族然とした落ち着いた物腰から一転、思いのほか思い切りよくカラカラと笑う姿に、今度は雪路の方が食事の手を止めて目を丸くする。

 「え、あれ?私、なにか面白い事しました?」

 「いや、いいや!本気なのは伝わった、伝わったが……、だめだ、それが逆に面白い」

 ツボに入ってしまったのか、暫く笑い続けてから、ようやくとアントワーヌは振り向いた。

 「……語彙がない……」

 まだ緩んだ目元で、おかしそうに言われ、雪路はムッと眉を寄せる。

 「ひどいですね!確かに語彙は乏しいですけど、美味しい物には美味しいって言うのが一番の褒め言葉なんですよ!」

 「なるほど?」

 「なんですか、その面白そうな顔!」

 「いや、真面目に聞いているぞ」

 「口角上がってるし、肩震えてますからね!」

 あるいは若い鉱夫達とさして変わらないような軽い笑い声を聞いてしまったせいもあって、思わずだいぶ気安くムムッと唸る雪路に。

 「それに」

 アントワーヌの方も気が抜けたのか、表情を柔らかく緩めたまま、雪路が先ほど食べていた野菜の煮込みを示す。

 「玉ねぎは、入れていない」

 「え、うそ!?」

 咄嗟に目を見開いて料理を見下ろす。

 「え、じゃぁ、あれ!?な、なに、あのシナっとした物体?」

 再び笑い出すアントワーヌを視界の隅に、もう一度、確かめるように料理を口に運んだところで、気付いた。

 (ん?……〝入れてない〟?)

 入っていない、ではなく、入れていない、と目の前の男は言ったか。

 (……んん、ちょっと待って)

 玉ねぎだと思った何かの正体より、ある意味重要な疑問が浮かんでしまった。

 「あの」

 「なんだ?」

 神妙な顔で呼びかければ、今度こそ落ち着いた様子で振り向くアントワーヌ。

 「この屋敷、その、お手伝いさんとかは?」

 「昼に掃除婦や庭師を呼ぶ事はあるが、基本は置いていない。目を離す時、機密文書類の管理が面倒だからな」

 肩を竦めて、ようやく自分の皿の料理に手を付ける姿を見つつ。雪路はドキドキと妙な鼓動の速さを自覚した。

 「……あの、つまり、それじゃ、これ」

 「ああ?」

 手元の、下手をすれば普通に店で出て来るレベルのこの夕食は、と雪路は恐る恐る問いかけた。

 「……作りました?」

 「ああ」

 事もなげに頷いて、優雅にナイフとフォークを使う姿は、どう見ても一生厨房とは縁が無くてもおかしくない貴族の貫禄。それどころか、彼が物を食べることすら、何となく意外なくらいには完成した人形のような美貌の持ち主なのだ。

 それが、今、何と答えた。

 「え、ええええ!?料理出来るんですか!?」

 思わず悲鳴を上げた雪路に、キョトンと、アントワーヌは顔を向ける。

 「出来なくて、どうやって一人で暮らす?」

 「い、いや、そうなんですけど、そうじゃないって言うか」

 専属のシェフに完璧な執事と女中が背後に控え、優雅に座っているだけが当然のような容姿だし、そういう身分でしょうと、色々思うところはあるが。

 「……い、意外です……」

 色々思うところがあり過ぎて、結局、その一言に集約した。

 「意外なのは自覚がある」

 アントワーヌは認めて肩を竦めた。

 「……うわぁ、びっくり」

 目を白黒させたまま食事を再開した雪路は、ふうむと、心中で唸る。

 (その姿でフライパン片手に菜箸持つの?)

 ある意味でとても絵になるだろうけれど、ある意味では有り得ないチグハグな景色になりそうだった。

 「もう少し時間があれば、少し凝った物も出せたんだが……」

 「これより凄いのが出て来るんですか……」

 十分においしいのに、と、思わず唸る。

 そのまま、他愛もない話をして食事を取った。主に雪路がここ数日の事を話していて、アントワーヌが静かに相槌を打ってそれを聞いている時間。

 誰に急かされるわけでもなく、好きなように、好きな風に話しをして。

 皿が空になり、お腹が満たされる頃には、色々な意味でとっぷりと満たされたような気分だった。

 「お腹いっぱいで幸せです……」

 「それは何より」

 食後の紅茶を飲みながら、雪路がフニャリと笑うと、アントワーヌは少しだけ首を傾げる。

 「特に何か困った事はないか?」

 いくらか真剣味が増した声に、雪路はフッと視線を手元の紅茶に落とす。

 「はい。大丈夫ですよ。ありがとうございます」

 脳裏を過ぎるのは、あまり好印象を持たれていないだろう誠の事や、明日も差し戻しがあるかもしれない書類の事だけれど。

 「……キツいこともありますけど、大丈夫です」

 本心から、そう思う。

 いつ帰れるともしれない異界、慣れない仕事と、不安でないわけはない。だけれど、美味しい物を食べて、こうしてホッと満たされたなら、大丈夫だとも心底思える程度には本当にまだまだ雪路は大丈夫なのだ。

 「皆、良くしてくれるし」

 「お前は珍しく鉱夫や工女から人気のある花嫁候補らしいな」

 アントワーヌは穏やかに頷いた。

 「良いことだ」

 「人気かどうかは分かりませんが、皆ちょくちょく仲良くしてくれます」

 雪路はふふ、と、笑って自分の服を示した。

 「でも遠慮無さ過ぎて酷い人もいるんですよ。ほら、竜をやっつけてるのもあるからか、そういうイメージあるみたいで……。この服を見て、脳筋だから似合うんじゃないかとか真顔で言ったり」

 「軍服が似合う基準がその理屈とすると、誠は相当の脳き……」

 「だ、だめです、それは」

 プッと思わず雪路は吹き出した。

 「アントワーヌさん、その悪気ゼロの顔で、それ以上は言っちゃダメです」

 笑って止めて、よし、と小声で気合を入れる。

 「でも、皆仲良くしてくれるから、明日も頑張ってバケツで鉱石運びます」

 「そうか」

 頷いたアントワーヌは、ならば、と椅子から立ち上がる。

 「そろそろ送った方が良いか」

 明日も早いのだろうと言われ、確かにそろそろ帰宅せねばと思い当たる。手元の紅茶もいつの間にか尽きていたし、頃合だろう。

 「あ、でも洗い物。お風呂だけじゃなく、ご馳走にもなってしまったし、それくらいは私にも」

 「客人は、持て成されるのが礼節だ」

 立ち上がった雪路が申し出る前に、アントワーヌは首を左右に振った。

 「でも」

 「いい子なら聞き分けろ」

 「な、なんですかそれ」

 「回れ右」

 「むぅ」

 抗議している間に気付くと誘導され、洗い物とは逆方向を向かされて、支度を整える流れにされていた。

食事の前にコート掛けに掛けたバッグに手を伸ばし、何だか上手く丸め込まれてるぞ、と眉を寄せる。

 (見た目は気難しそうな貴族なのに、中身は意外と優しいというか……至れり尽せり甘くしてくれるんですけど、この人)

 ゴソゴソとバッグを肩に掛けながら見たコート掛けには、そういえばアントワーヌ当人の外套と帽子も掛けられていた。

 「途中まで送ろう」

 背後からヒョイと手が伸びて来て、黒い外套を掴む。

 背中に感じる気配に、ふいに彼が背の高い青年なのだと再確認して、ちょっとドキリと、動きを止めた。

 「すみません、ありがとうございます」

 誤魔化すように黒い帽子を手に取り、渡そうと振り向き掛けた時。

 「……来客か」

 ぴくりと、アントワーヌが顔を扉の方に向け、カランカランと、玄関ホールから鈴の音。

 「お客さんですか?」

 「アントワーヌ、いるか?」

 雪路の声に被せるように、耳馴染みのある声がした。

 「あ」

 この声は、と思うより早く、足音は真っ直ぐこちらへと歩いて来る。

 「書斎か、厨房か?」

 「食堂だ」

 アントワーヌが答えた事で、更に正確な位置を把握したのだろう。雪路が何か行動を起こすより早く、客人はこの部屋に到達した。

 「俺を探していたと、警官連中から聞いたが」

 勝手知ったる相手の家とばかり、入って来たのは、誠だった。

 「予算の件な、ら……」

 キビキビとした声が、途切れる。

 雪路に気付いた藤色の目が、パチパチと瞬いた。

 「……こ、こんばんは」

 引き攣る笑顔で何とかそう言うと、もう一度、誠は目を瞬く。

 「……ああ、こんばんは」

 人間、驚いて思考が止まると、まずは習慣に乗っ取って無難な返事を返すのだなぁ、と雪路は妙に納得して誠のぎこちない挨拶を聞いた。

 「……おい、アントワーヌ」

 「なんだ?」

 「いや、何だも何も……」

 視線をアントワーヌに向けて、誠は困っているのか怒っているのか、どちらとも分かりかねる顔で唸った。

 「あ、あの、藤埜大尉がいらっしゃったなら、私、一人で帰れますから」

 何か怒られるのではあるまいかと刷り込み的な反射でビクビクしてしまい、雪路は慌ててコソコソっと誠を避けて扉から廊下へと出る。

 「あの、アントワーヌさん、ごちそうさまでした。ありがとうございます、それでは、お邪魔しました!」

 「おい、待たんか」

 「気を付けて帰れ」

 眉間に皺を寄せて声を張る誠を、アントワーヌがさり気なく肩を掴んで止めてくれた。

 「良い夜を。おやすみ、雪路」

 「おやすみなさい!」

 ヒラヒラと手を振って微笑み、誠が反応する前にと、雪路は慌てて玄関ホールへと向かった。


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