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第六話


お久しぶりです…


いきなり突風が吹く。

ここは室内なのに。

「……っ」

声が、聞こえる。

まただ。

誰かが自分を呼ぶ声。


来い…


「季立っ!!私の中に全員戻って……」

そう叫ぶ否や、体が宙に浮く。

まずい。

このままでは、青龍達と離れ離れになってしまう。

本能がそう叫んでいた。

「…っ青龍!!」

とっさに青龍が伸ばした腕を掴む。

「離すなよ……」

ふと、風が失せる。

体が宙に放り出されるのが分かった。

「げっ…」

高い。

明らかに、地上から数十メートルは離れているだろう。

「立秋っ」

長らく使っていない霊力だったが、案外楽に再度使用することが出来た。

空中で安定感を掴んだ所で、辺りを見回す。

「青龍…?」

掴んで離さなかったはずたったが、いつの間に離れていたのだろうか。

しかし、よくよく確認すればここは学校の屋上のようだ。


「ご協力を願いたい」

「!?」

背後から突然聞こえた声。

それは、何度となく呼びかけて来た男の声。

「嫌よ」

振り向かずに、答える。

振り向いてしまえば何が起きるか分からない。

「なぜそこまでして拒む?」

「私が鬼に協力する理由がないわ!!」

そして、心の中で呟いた。

『立夏…お願い、青龍達を呼んで来て』

『分かった』

そう答えると、沙羅自身から青い光が放たれた。

「助けを呼んだか…」

「だって、このまますんなり帰ってはくれないでしょう?」

「そうだな…」

背後の空気が変わる。

来る。

「結界!!」

そう叫んだ瞬間、何かが弾き返される。

「なかなか…さすがですね。だからこそ、あなたの力が欲しい…」

「うるさい!!」

ねっとりした声に気分を害し、立冬を放つ。

初めて見る。

本物の『鬼』を。

「ほう…季立を使うとはあなたらしい…」

にたりと笑った鬼に悪寒を覚えた。

鬼と呼ばれるのは、違うかもしれない。

その『鬼』はあからさまに美しかった。

なるほど。

「いやいや…なんとも」

効いて、いない。

立夏は使いに出してしまったから、攻撃は出来ない。

ならば…

「立春!!」

碧の光が鬼目掛けて放たれる。

その時、下の方でドアを破壊する音が聞こえた。

「沙羅!!」

「みんな……」

それは、一瞬の油断だったかもしれない。

鬼が沙羅自身の中に居る、立秋をたたき落とした。

『きゃあっ!!』

「な……っ」

ふと、バランスを崩す。

宙に浮いている事が出来ない。

「やば…っ…」

落ちる…!


しかし、衝撃は来ない。

地面にたたき付けられる前に、青龍が沙羅の腕を引っ張ってそれを救った。

「青龍…立秋が…」

「大丈夫だ。玄武が行った」

「そう…よかった…」

沙羅が安心したのを見てから、青龍は鬼を睨んだ。

しかし、それに臆す事なく鬼は笑った。

「はじめまして。紹介が遅れましたね…私は龍と申します」

「貴様が『龍』だと…?笑わせるな。龍の力がどれほど強い力なのか知っている

のか…?」

恨めしそうに青龍は低く唸った。

それに対し、鬼はさらに楽しそうに笑った。

「ええ。存じていますとも。だから私は『龍』ですよ…青龍…」

一瞬―――

鬼の姿が失せた。




おまたせしました(?)

展開は再会となりました。

青龍さん、一体どうしたんでしょう?

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