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一章:第一話
これは…
夢か現か…
乳白色のようにぼやけている世界。
その中にも在る色。
妙にはっきりしている…
鮮やかな薄氷色。
其処に佇む人――――?
『あなた…誰…?』
くぐもった声が辺りに響く。
答えはまだ、無い。
じっと目を凝らすとそれがはっきり見えてくるような感覚に捕らわれた。
『一体誰なの…?あなたはいつも此処にいる…?』
再度、問う。
すると、透き通った声が答えた。
『まだ…気づかないのか――――?』
気づく…?
何を…?
『私は…』