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短編小説集  作者: 裕澄
9/40

続 真っ白の世界

前回話

真っ白の世界の続編です!


今回も感動的なストーリーになってる予定です(笑)

作成キーワード(ネタバレ)

天使×生き返り×再会

「じぃちゃんがまた、天使がどうとか、変なこと言ってるんだけど…」

孫の孝顕(たかあき)が俺の顔を覗きこんだ。


「もう、親父も110歳越えてこんな状態だろ??病気も病気だから…な??」

この呆れ返ってるのが俺の息子 長男 陽太(ひなた)


俺、田口雄大(たぐちゆうだい)が自称 すごい天使 マピシエルに助けられてから、90年。

元々あの時生き返った(戻ってきた)

気付いたら、

呼吸器を付けて、点滴 心電図計とか色々な良くわかんない機械と管で繋がれた状態でICU(集中治療室)に寝てた。


全身骨折と頭を強く打っていたらしくて、

生きているのが奇跡の様な状態で5日間眠ってたらしい。

ここまでの重症で眼を覚ましたのが不思議だ。って医者に耳にタコが出来るぐらい退院するまで、言われ続けた。


そこからは、本当にしんどい毎日だった。

マピシエルがいった通り

1ヶ月間は、体がボロボロで免疫力が落ちてるとからしくてICUで生活。


やっと、管だらけの生活に慣れた頃にはICUから出ることが出来た。

医者が言うには、驚異的な回復力だったらしくて

一般病室に移った後は、のんびりゆったりの入院生活。


なんたって、全身骨折してるからリハビリだって骨がくっついてからだから、すっげぇ暇だったし、

1年半の入院生活で

「高齢者の運転事故に巻き込まれて重症を負ったのに、奇跡的に助かった大学生」って、

地元のテレビ局からインタビューを受けたのは、嬉しかったなぁ…

俺有名人!!って完全に浮かれてた。


まぁ、そんな話もあの時の医療技術だからあった訳で

今だったら1年以内で完治するんだろうな。


話を現在(いま)に戻すとしよう。

今現在、俺は110歳 今の医療技術なら まぁ、110 歳(この年)は平均寿命ぐらいだな。

で、俺を呆れ返って見てた陽太は、俺が30の時生まれた子供。現在80歳。

他にも、娘の祐実(ゆみ) (78) 次男 雄馬(ゆうま) (71)


で、陽太の一人息子が 孝顕(45)こいつは晩婚家系の 田口家(たぐちけ)の中で一番若く親父になった。

17歳で、でき婚するって

聞いたときはマジでびっくりしたし本気で孝顕に怒鳴ってた。

「その歳で、子供が育てられるのか!?」って。


そして、その孝顕の次男が俺が今

入院してる赤崎病院(あかざきびょういん)の未来の院長候補

赤崎騎士(あかざきないと) (28)

婿に入ってるから名字は違うけど、

俺のひ孫ってこと。


騎士がいうには100歳越えた辺りから、

記憶力が弱くなる頭の病気にかかったらしくて、

10年前から

今までの記憶があいまいで長いこと覚えてられない。


それ以外にも何個かの病気を持ってるらしい…けど良く覚えてない。


でも家族の年齢とか名前

大事なことは紙に書いておくようにしてる。じゃないとすぐわすれるんだよな。


こんなボケ方したくなかったんだけど、もう俺も年だからなぁ…。


「田口さん、検診の時間ですよー。体温はかりましょっか。」

騎士が俺に体温計を差し出した。

「騎士。家族しか周りに居ない時は、医者として喋らないでくれって、言ってるよな??」

俺が出にくくなった声で質問すると、

「…そういう所は、ハッキリと覚えてるんですね…相変わらず。

どこで誰が見てるか判らないのに、そんなハイリスクな事はしませんよ。」


「でもなぁ…」俺が渋ると


「ただでさえ、病気で余命僅かで更に延命治療もしない。なんて、譲歩してるんですよ??

それ以上この事について言うのであれば、貴方の意見に背いて延命治療と抗生物質の投与しますよ??」

ニコリと騎士は、笑みを浮かべた。

主治医と患者という立場上、騎士には逆らえない。


だから、俺は騎士から体温計を受け取って毎日 日課の検診をはじまった。


俺の人生の最期は、眠るように死んでいく。

これだって、決めてるんだ

それで会うんだ…


あの 天使 マピシエルに。


マピシエルの話をした時、子供達も孫 ひ孫ですら信じてくれなかった。

「そんなメルヘンな話聞かせて、どうするの??」って良く言われたもんだ。


でも、本当に生と死の間にある世界で

子供みたいな身長のロリータ服の天使と出会って、ソイツに命を救われた。


言ってみればアイツは俺の命の恩人だ。


そんなことを病院のベッドの上で考えていると

目の前が眩しくて眼を覚ました。


そこは、何もない真っ白の世界だった。


90年前(あの時)にも見たこの景色。

俺は寝てる内に狭間の世界(あっち)にいったのか。


人の気配がしないから、

とりあえず今でる精一杯の声で

「マピシエル!!居るのか!?…居るんだろ??」

と叫んでみた。


『叫ばなくったって、近くにいるじゃない??ゆーだいクン。』

懐かしい声がして、俺は振り返った。

『久しぶり、ゆーだいクン。』

そこには、俺が見上げるぐらいの身長の色気が漂う

天使が立っていた。

「マピシエル!!…マピシエルだよな??…ずいぶん成長したな。」


『ゆーだいクンも。

今の人間って、良くも悪くも長生きするから、天使って暇なのよ??』


「だろうな。俺がガキの頃より30年も寿命伸びたんだからな。」

『…っていいつつ、ひ孫まで見れたんだから、幸せだったでしょ?』


「まぁ…な。お前と会った事話したら、みんなに笑われたんだからな!」

俺は怒っているつもりなんだけど、顔は自分でもわかるぐらいにやけてる。


会ってない時間を埋めるみたいに俺と、マピシエルは真っ白の世界で話してる。


『でしょうね。天使はいつの時代も、空想の生き物って

見られがちだから。でも、貴方が覚えててくれて嬉しかった…。こうやって会いに来てくれたし。』


「どうやったら、マピシエルと会えるか。俺の馬鹿な頭なりに必死に考えたんだよ。

…やっぱり天使だから真面目にまっとうに生きてたら会えるかもって。」


『そんな、素敵な言葉は病気で亡くなった奥さんに、天国(あっち)で会ったらにしなさいよ…。』

マピシエルがふて腐れた様に、いつの間にか現れた茶色の扉を指さした。


「…あいつが死んだのは50年も前だから、今のこんなヨボヨボのじぃさんが会ってお前のダンナだ。って言ったところで信じて貰えそうにないからな。」

俺の嫁さんは、5つ上の姉さん女房だった。

でも、嫁さんが55歳の時くも膜下出血によって亡くなった。

俺が家に帰って倒れた嫁さんを発見した時には、もう…


「あいつの話はいいだろ??天使って年取らないのか??」


こっちに来てから気になっていた事を聞いてみた。


『年を取らない訳じゃないの。

時間の進み方が、人間の1/5(5分の1)って所かしら。

でもその分、30年…こっちの時間でね。

その期間しか生きられないの。私のタイムリミットは後2年。


生き返る天使(転生する子)も居るけど…私は

形はどうあれ、貴方の居る所に行こうかしら。…貴方を見てると飽きそうにないもの。』


「嫁さんにも、気づいて貰えそうにないし俺もその方が嬉しいかな。」


『両想いって事ね。…一応聞かなきゃいけないから、聞くわね。

田口雄大くん。

もう現世には戻るつもりは、ない…のよね??

このまま天国へ旅立ちますか?』


こんな質問しなかったって事は90年前、

マピシエルは正攻法で俺を向こうに戻して無いのかもしれない。

でも、聞いたところではぐらかされるんだろうな

マピシエルの事だから。


「あぁ。未練はない。…永く生きすぎた。とは思うけどな。」


『じゃあ、いってらっしゃい。ゆーだいクン。

天国で待っててね??今度は私が探してあげる。』

そういうと、マピシエルは茶色の扉を開けて俺を扉の向こうに行くように促した。


「じゃあな、みんな。世話になった。天国で会えるといいな。」

聞こえるかわからないけど陽太達に話しかけて、扉の向こうの世界へと俺は旅立った。

無事再会できましたね。

マピと雄大。

きっと形はどうあれ って言ってたので

マピが人形(ひとがた)の可能性は、低いですが

二人で幸せになってほしいですねぇ…


ちなみに雄大とマピの名前は

名前制作メーカーで作った候補で気に入ったモノです。

マピの初期(1話目)の台詞後の星がうっと惜しかった☆←コレ


珍しくブラックな展開ではない作品でした。

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