続 一流の執事
一流の執事の続編です。
若干の流血描写ありです。
「どれだけ、この時を待ち侘びたでしょうか…
この時を待っていたのは貴方だけでは無いのですよ、旦那様。」
そう言った玄斗はニヤリと笑った
「貴方がお嬢様を“商品として“育てあげている間
貴方や貴方の部下に、人生を目茶苦茶にされた人間は数多くいらっしゃいました。」
玄斗は、ツカツカと主人の元へと近づきながら話を続けた
「闇の人間と手を組んで、幾つもの組織を壊滅に導きました。
貴方の仕事に直接被害をもたらした者や 同じ闇の人間も 関係なく、貴方は障害と成りうる者を全て排除してきた…そうですよね??」
「あぁ。あいつらは、この私に盾突いたんだ!! そんな無礼で無能な人間が制裁を受けるのは当たり前のことだろ??」
主人は玄斗にピストルを構えながら話始めた
「そして、私に刃向かったお前はここで殺されるんだ…
そうだなぁ…お前を殺したら、お前だと判らなくなるまで切り刻んで
その姿になったお前を、小娘やあの裏切り者にプレゼントしてやるよ。」
主人は悪魔に取り付かれた様な邪悪な顔に変わっていた
「…ははは。流石“商売の悪魔“の異名をお持ちなだけはありますね…とてもお似合いのお顔をなさっていますよ。ですが…所詮は異名ですね。」
玄斗の乾いた笑い声が部屋に響いた
「話したい事は、それだけか?? つまらない最期の言葉だな。」
主人が玄斗に向かってピストルの引き金を引こうとした瞬間
パーンッ!!とピストルの発砲音が鳴り響いた
「…残念ですね。私を仕留め損ねた上に 逆に利き手を撃たれてしまうなんて、お可哀相に。
“俺“の相棒 シグザウエルの肩慣らしにもなりませんね。」
そう他人事の様に言っているが、玄斗の手にはしっかりとピストルが握られていた
「…お前ッ何者なんだ!?…お前をこの屋敷に入れる時に全てのデータを手に入れ、調べ挙げ問題は無かったはずッ!?」
「…貴方は憶えていらっしゃいますか…??
20年前貴方の手で潰された組織 AGR Aiternative Grim Reaperを。」
「AGR…あぁ憶えているよ。死神というわりに、潰した手応えも無かったな。トップも老いぼれの爺さんだったしな。」
主人は出血して痛む右手を押さえながら答えた。
「その、手応えも無かったAGRの生き残りなんですよ…
アンタがあの時 俺のことをただの5歳児のガキだと勘違いしてくれたからこそ、
名前や経歴を消して、顔や指紋まで全て作り変えて
アンタに復讐をする為に執事としてのスキルを身につけ、一流の執事と呼ばれる頃アンタは、俺を引き抜きに来たんだよ。
で、この屋敷に入り込んで時期を待って居たって訳
アンタの計画とは年期が違うんだよ。」
「あの時逃がしたガキか…私に復讐する者には死の制裁がお似合いだな。」
ニヤリと主人が笑ったが玄斗も笑顔のままだ
「ごたくは良いからさ。さっさと俺のこと殺しに来いよ。」
挑発する様に玄斗が手招きをした
「因みに…ボディーガード達を呼んだって無駄だから。20年前アンタがやったみたいにぜーんぶ始末したから。嵩虎だけじゃ無いんで、俺の協力者。」
と話終えた瞬間に、また1発 玄斗が主人に向かってピストルを撃った
「グハッ!?」
腹部に銃弾が当たったのか、主人はうずくまって吐血をしている
「はあぁ…。呆気無い それも無理は無いですかね…。至近距離から腹部に1発…ですからね。」
いつの間にか玄斗は執事の口調に戻っている
「もっと、苦しんでいる顔を見せて下さい“旦那様“。」
ニヤリと笑うと玄斗はうずくまる主人を起き上がらせ、髪の毛を引っ張り、無理矢理顔を上げさせた。
「…とても、素敵なお顔ですよ“旦那様“…それでは、お休みなさいませ…永遠に。」
屋敷には、もう1度乾いたピストルの音がなり響いた。
結局、あまりバトル展開になりませんでしたね(笑)
ちなみに、キャラの名前は 好きな特撮ヒーローのキャラ名から来ています(笑)
若干精神が不安定になると、ブラックな展開の話が多くなってくる傾向にありますねぇ。