星屑の夢たち~一笑入魂~
お笑い芸人と放送作家のお話
ほぼ会話です。
芸人×ケンカ
「だぁ~からぁ!!ケンカしてもいいけど、仕事に持ち込むなって、何度も言ってるでしょ。」
私、小林裕希は、アラサーの構成作家。
構成作家っていっても、
番組を作るより、お笑い芸人のネタとかたまに番組構成に携わってるって感じ。
今現在手をやいてるのは
大手事務所所属の男性コンビ ベイビーファイア
「コバ姐!!今回は、オレ悪くないっすよ。コイツが悪いんすよっ!!」
175㎝のチャラ男芸人 ミナミ この男マジで問題児。
「…はいはい。ミナミの言い分は分かったから。んで、レンは??」
「仕事すっぽかしてる訳じゃないんで、コイツみたいに。」170㎝のイケメン芸人 レン この男も相方よりかはマシな問題児。
「…はぁ。先輩の生放送ラジオに遅刻てるんだけど??」
面倒を見ている芸人が自分の携わるラジオ番組に出てくれるのは、嬉しいんだけど…
「あのさぁ…私だけじゃないんだよ??迷惑かけてんの。」
大手事務所になればなるほど、若手の現場にマネージャーが付く事は少ない。
だからこそ、現場にいて面倒を見ている私にクレームとか怒りがドンドン来る。
まぁ『お前面倒みてるんだろ??どうにかしろよ!!』的な事。
「作家さんに、スタッフさん 音響さん ディレクターさん プロデューサーさん そして、メインで番組やってる
田町大志のお二人にも、迷惑かかってんの。わかるでしょ??」
「その辺ちゃんと分かってる??」
ラジオやテレビ ライブだって一人で出来るモノではない。
「「分かってるんですけど…。」」
…はぁ。これ分かってるけど、理解してないタイプなんだよね。
所属事務所がデビューしてすぐ
イケメンコンビ って売り出したモノだから、仕事が少なくなってきたこのタイミングで、
まだスター気どりで扱いに困る業界の人も居るのよ。ベイビーファイアは。
「後、お説教ついでに…ミナミ??出待ちのファンにナンパ禁止ね。」最近は特に、ファンと芸人の距離が縮まってファンをナンパする芸人が増えて来て色々とトラブルに発展するし、イメージも悪くなる。
マイナスが大きいのになんでやるかなぁ~。とは10代からお笑いを好きな私は思うけど、そこは一旦置いておく。
「じゃあ…今夜一緒にお洒落なbarにでも行きませんか??裕希お姉様。」
はぁ…懲りてない。多分その内痛い目見るよ、ミナミ。
「…ナンパしてる位なら、お前もネタ1回は書いてみろよ。」
あぁ~。それ言っちゃうんだ、レン。
「っ…てめぇ!!ネタ書いてる位で調子のんじゃねぇよ!」
ネタを片方が主に書いてるパターンのコンビは、ケンカすると大体このワードを出してくる。それも定型文か、って思う確立で。
「お前が書く才能ないからだろ??」
「オレだって、本気になりゃあネタ書けるっつうの!!
お前みたいに、ずーっと部屋に籠ってネタ作ってるよりマシだけどな。」
「ファンの子にとっかえひっかえ、手を出す方が悪いんじゃない??」
「お前が普段ファンサービスが良くないから、俺がファンサしてやってんだよ!!」
「そっか、ファンに手を出すのもファンサービスの一環だったんだ…へぇ。」
本当に低レベルの争いというか…
本人達には大切なのかも知れないけどね。
「…いい加減にしなよ。
別に、ベビファが仲悪かったってどうでもいいの、私的には。
アンタ達プロの芸人でしょ??仲が悪かろうが良かろうが、
お客さんがファンが見てる所で私情を挟むのは、どうなの??
ベビファが見せたいのはネタだよね?
ケンカしてる所じゃないよね?
わかる?」
「もし、このままベビファが仲違いして解散しました~。ってなるとするよね??もう、ミナミとレンだけの問題じゃないんだからね。
応援してくれてるお客さんに何て言うつもり?顔向けできる??」
そこまで私が言い切ると二人とも神妙な顔つきに変わってきた。
「…ってな訳で、来週のネタ合わせまでに仲直りしてなかったら、単独ライブの作家やめるから。」とトドメの笑みを浮かべた。
ケンカしてるだけで終わりましたねある意味(笑)
続編でちゃんと完結します。