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短編小説集  作者: 裕澄
14/40

続 ShadowKnight

前話の政木田さんのお話です。

制作キーワード

仕事×家族

「んで、お兄ちゃんはやっと"前に進める"って訳ね。」


智香(ちか)は俺の話を聞きながら、

実家用にと、土産で持ってきた有名店のシュークリームを実家のリビングで俺と向き合いながら頬張っている。


「それにしても、このシュークリーム美味しい~幸せな気分になるわ。さっすが、アイドルのマネージャー。

いい店知ってるねぇ。」

俺と5歳離れてる智香は、風雅と同い年の20歳。


「智香…お前 相変わらず色気より食い気だな。」


まだ俺が現役アイドルだった頃

『お兄ちゃん、風雅くんに気遣ってるでしょ??見てる人にバレてるから…そーゆうの、スッゴい冷めるから、見てる方は。』


と的確なことを言われた。確かにシンメで風雅とデビューしても、『どうせ、風雅のバーターだから。』と

諦めていた時だった。

その時から、智香に仕事について相談する事が増えた。

もちろん業界の人間じゃないから

詳しい事は言えなかったりしたが、智香はアイドルが好きで、アイドルを見る目は肥えていた。


だから、ライブでの振る舞い方 どうしたらファンの女の子たちが喜ぶのか。そんなことを色々と相談した。


「お兄ちゃんが風雅くんのマネージャーするって、聞いたときは

ビックリしたけど、まぁ…あの事件()があった後、ステージ()に出れる状態じゃなかったもんね。」

急に智香がしんみり話はじめた。


「あの時の俺は荒れてたからな。」

俺もお土産で持ってきた、シュークリームを手にとって頬張りはじめた。


「お土産っていいつつ、お兄ちゃんも食べるんじゃん。シュークリーム。…もう一個食べようと思ったのに。」

そういってふて腐れている様子を見ると

やっぱり、こいつは色気より食い気だ…と実感する。


「半年ぐらい夜うなされてたもんね。」

ライブ終わりに、ストーカーになったファンに腹を刺されてから半年間、俺は毎晩 夢でうなされていた。


「…今だからゆーけどさ。お母さんめちゃくちゃ後悔してたよ。『私が事務所に履歴書送って、オーディション受けさせなければ…こんなことには』って。」


「えっ!?」


「『智史に、私の夢を託して無理させ過ぎたかも』って言ってた…まぁ、あたしもおんなじようなモノだけどねぇ。」


「初耳なんだけど。」


「そりゃそーだよ。いってないもん。それにいいの??今日、実家にい(休んで)て。」


「ShadowKnight、生放送のインターネット番組に出るんでしょ??

行かなくていいの??"政木田マネージャー"??」

智香はどや顔で俺に聞いてきた。


「っ…!! お前、マネージャーじゃないのにスケジュール把握しすぎだろ。」

俺は智香から出されたお茶を吹き出しそうになった。


「『心配だろうが今日は休め。アイツらには、オレが付いてってやるから。』って、大渓(おおたに)さんが。」


大渓さんは、俺が現役だった頃にお世話になっていたマネージャーで、現在(いま)は俺の上司。


「大渓さんじゃ安心じゃん。どーする??風雅くんが『俺、大渓さんがマネージャーの方がイイっす。』って言ったら?」


「ばーか。風雅に限って、そんなこと言わねぇよ。」


「さーてどうかなぁ。どっから、その自信が出てくるのよ。」


「そりゃあ、

俺が風雅の元シンメ(相棒)だからに決まってんだろ?」


「…あぁー。はいはい。

こりゃ、いつまで経っても無理だね。」

智香はあきれ顔だ。


「なにがだよ??」


「なんでも、ありまっせーん。」

なんだか、バカにしたような智香の口調にイラっとした。


「言えよ、智香。」


「嫌ですー。…そのまま"夢"追ってる方が、お兄ちゃんらしいよ。」


「…サンキュー。」


「せっかく、お兄ちゃんも居ることだし、リビングのテレビで見ようよ!!

ShadowKnightが出る番組。」

そういって、智香はさっそく立ち上がった。


「じゃあ、パソコン持ってくるわー。」


そういいながら自分の部屋へ小走りで向かった。


「ってか、なんでマネージャーレベルでスケジュール知ってんだよ!!」

聞き逃した疑問を大声で聞いてみた。


「秘密ーお兄ちゃんには絶っ対言わないー!!」

そういってはぐらかすだけで

実家にいる間何度聞いても答えてくれなかった。

智香が言いかけたのは、

「智史に彼女(いい人)が居ないのか??」と親が詮索してる。

ってことですね。

智香は、お兄ちゃんが夢に向かってる姿が好きなんだと、思います。

きっと智香は、ShadowKnightのファン制作の情報Botとか、管理してますね(笑)きっと。

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