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短編小説集  作者: 裕澄
13/40

ShadowKnight

アイドルのお話です。

制作キーワード アイドル×ヤンチャ

「う゛ぁぁぁぁ!!ったく、

うっとうしいっつうんだよ!!」


風雅(ふうが)君…あんまりイライラしない方がいいと思うんだけど…」


「…っるせぇなぁ。(げん)お前アイツ見ててイライラしねぇのかよ。」


「だって、僕たちにとってはどんな性格(態度)の人だって、“応援してくれるファンの子たち“っていうのは変わらないじゃん。」


「お前のファンは大人しい奴らばっかだからいいよな…」

【ShadowKnightシャドーナイト様 控え室】と書かれた貼り紙がしてある扉を

俺、政木田智史(まさきだちふみ)はノックをせずに開けた。

「風雅、現場にいるときぐらい

喋り方…気をつけてろよ。一応お前も、“アイドル“なんだからな。」

そういいながら、分厚い革製のスケジュール帳で風雅の頭をつっついた。


「あっ。政木田さんおはようございます。」

「源おはよう。」

この業界で仕事をし始めた時、

どんな時間であろうと『おはようございます』というのに慣れなかったのが嘘のように、今では普通に使っている。



「んで、どうした風雅。また例のファンの人か??」


「あいさつも無しに頭つっつくような奴なんかに相談しねぇ。」


「…はぁ。まがりなりにも俺

お前の元相棒(シンメ)だろ。ちょっとは相談しろ。」

シンメって、アイドル業界でいう所の“コンビ“だな。


「お前、今は俺たちのマネージャーだろ。いつまでも先輩づらすんなよ!!」

風雅はくしゃくしゃに丸めた

終わったばっかりのライブの進行表を俺に投げつけてきた。


「風雅は知ってると思うけど俺が現役の頃は、ファンにストーカーされたし、無理矢理色んなキャラ事務所に押し付けられたからな。

…その分お前たち ShadowKnightは恵まれてるよ。」

風雅が投げつけた進行表を話ながらシワを伸ばして元の紙に戻していく。


「それに、ShadowKnightのコンセプトは『白と黒の騎士(ナイト)様』だろ??」

俺の現役時代はキャラ付けはあったが今みたいに

コスプレみたいな衣装は少なかった。


「源は『優しくて可愛い、白の騎士』」


源は『童話の王子様が現実に現れたみたいだ!!』って社長や社員たちがざわついたぐらいの正統派アイドル顔で性格は若干の天然。

源より年上 20代の女性ファンが多くて弟キャラ。


「うん。僕はこの騎士キャラ楽しいよ♪」

こういう所にファンの子は弱い。


「で、風雅は『オレ様でセクシーな、黒の騎士』」

風雅は、オレとシンメ(15歳)の頃から“問題児“だった。

口は悪いし、仕事以外で、いろいろヤンチャはするし。

あれから5年が経った今はいくらかマシになって色気も出てきた。

そのお陰か風雅より年下の10代女子のファンが多い。


「んな、設定の話どーでもいいんだよ。」

ぶっきらぼうな所が若いファンには魅力に映る。


「…風雅、話は終わってないから。風雅…お前の方が、俺みたいになる危険性が高いんだよ。

お前を応援してる子たちは、格好良かったり 魅力的に見えると、本気(マジ)の恋愛感情を持つ子も出てくる。

そういう子が勘違いをして、歯止めは効かなくなると…」

俺は、風雅の目をしっかり見た。

「…危害を加える可能性を秘めてくるんだ。」

そういって俺は、Yシャツをめくって、腹を見せた。

そこには、大きな切り傷のような傷あとがクッキリと残っている。


「「…えっ…。」」


風雅と源は俺の傷を見て驚いてる。

「…お前らには、この傷のこと話して無かったもんな…ライブ直後にビックリすること言ってすまない…。

源は、知らなくて当然だな。俺がアイドル(現役)だった時まだ事務所に居なかったし。」

ビックリした顔で心配そうな顔の源に、いつも通りの笑顔で頭を撫でてやった。


「心配するな、源。もう痛むことも無いから、ひどいのは見た目だけだ。」

そういって安心させると、源はいつもの笑顔に戻っていた。

源は見た目とは裏腹に心が強い。


「…俺そんな話っ。」


「…あぁ。言ってねぇよ。元々、俺のデビューはお前ありきだったからな。

ヤンチャなお前を色んな面でサポートする為って名目で、お前と俺はシンメでデビューしたんだ。」


「じゃあ、あのライブ終わった後に

社長に智史が『海外の仕事の為に留学するから、解散させろ』って言ったって俺が社長に言われたのは…」


「…嘘だ。俺が社長に『風雅にはそういってくれ』って頼んで言ってもらった。

所詮俺は、“風雅のオマケ(バーター)“扱いなのは知ってたし、事務所はお前を売り出したいって、必死になってたの知ってたからな。

何よりもお前を巻き込みたく無かったんだよ。

"ファンに刺されたアイドルのシンメ"って、言われたりするをな。」


「…じゃあ。俺が智史…お前が勝手に海外行って“裏切ったって思って、ムカついて頑張った3年間“は、なんだったんだよッ!?」

俺は風雅に胸ぐらを掴まれた。


「…もしかして、政木田さんが僕らのマネージャーになったのは…」

それまで、俺たちの会話を静かに聞いてた源が話はじめた。

「風雅君に対しての"罪滅ぼし"ですか??」


「それもあったよ、大義名分として…な。でも今は違う…

『ShadowKnightはすげぇ』『ShadowKnightは最高のアイドルなんだ』って、

世の中のみんなに認められて欲しいし…これは俺のエゴだけど、"俺があの時見たくても見れなかった世界を"お前らとなら見れるって思ってなきゃ

元シンメのマネージャーなんかやるかよ…。」

俺は最後の方口ごもりつつ勢いで言ってしまった。


「だってさ、風雅君。政木田さんに信頼されてるね??」

そういって源はにこりと笑った。


「っるせぇよ、源っ!!」

「たまには素直になってもいいんじゃない??風雅君。それに政木田さんも。二人ともぶきちょだから♪」


「「誰が"ぶきちょ"だっ!!」」

俺と風雅の声が楽屋にユニゾンした。

アイドルやタレントさんの殺害予告とか、

テレビでよくやってますよね。

あれ、酷いしやられた方は怖いだろうなぁ。と思います。本当に。


現に私も過去に持ってたTwitterアカウントで、荒らしにやられて

精神不安定になりました。


作品についてですが、

風雅と智史はツンデレ属性ですかね(笑)

いいコンビだとおもいますよ、あの二人。

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