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短編小説集  作者: 裕澄
12/40

江戸の悪魔

今回は、この短編集に書いてある作品のコラボストーリーです!!

若干流血シーンというか…があります。

『貴方の“願い“やっと叶ったみたいね。』

男の脳内に女性の声が響き渡った。

「あぁ…。20年越しの復讐劇が、あんなにもアッサリ終わってしまうとは…呆気(あっけ)ないな。」

男は独り言のように(やしろ)に向かって呟いた。

『私が生きていた時代も、貴方にの生きるこの時代も

“復讐“なんてそんなモノよ。』

はたから見れば男は社に話かけている

怪しい人間だが男は人ならざりし者と話しているのだ。


「お前の生きていた時代…か、現在()より闇に潜む人間は、暮らしやすかったんだろ?」

『忍びが…闇の仕事

本来の生業(なりわい)で生きていけたから、いい時代ではあったかしら。

暗殺稼業も、今だったら立派な“連続殺人犯“になるのかしら??』


「ハハハ。そうかも知れないな。…キミのこと、少し調べさせて貰ったよ。」

『あら、私のこと「興味がない」と言っていたのに…気になってしまったかしら??…“江戸の悪魔“のことが。』


「あぁ。ターゲット(あの男)が、“商売の悪魔“なんぞ、

名乗るモノだから“真の悪魔“と江戸で言われた、お前のことは気になっていたんだよ。」


『復讐の為に全てを捨て作り変え復讐の炎に身を焦がす貴方に、そう言われるなんて永い(ながい)時間(ここ)で過ごしていた甲斐があったわ。』


「お褒めに預かり光栄だ…“曼珠沙華の忍び“殿。」

男はそういうと社に曼珠沙華を供えた。


『曼珠沙華とは、粋な送り物をしてくれるじゃない。玄斗(くろと)。』

「白い曼珠沙華が見つから無かったから、赤で我慢してくれ。」


『曼珠沙華…やはりいつ見ても魅力な花。』

男は感傷に浸っている、声の主に構わず話を続ける。


「忍び里の(かしら)の家系で優秀な、くのいちだったお前は里の中じゃ不便の無い暮らしだったんだろうな。

…禁断の力に魅入られるまでは。」


『貴方がここまで知っているということは…里の者達が、排除した人間の情報を後世に残す…なんて珍しい事が起こったって証拠ね。』

声の主はふっふっ。と笑った。


「禁断の力の為に兄以外の親族を手にかけ、秘伝の術が記された巻物を盗み出すという、

忍び里で1番の禁犯し里を抜け 名を捨て闇の仕事をこなしていき…そして里からの暗殺者に狙われ幾度となくその人間の命を消し去っていった。」


『あら。私を悪者みたいに言っているけれど

貴方も同じ穴の狢よ。その手にしたピストルで手段を選ばず

人間を葬り去って来たんだから。

…私と貴方は“闇に魅入られ、闇に魂を売った“同類よ。

こんな寂れた社にいる“江戸の悪魔に魂を売り“に来たのが何よりの証拠なの。


でも、1つだけ違う所がある。

…貴方には守るべき人間が居るんでしょ。

…あの日逃がしたお嬢様

彼女を守ってあげなさい。』

声の主はため息をついた。


「俺を追ってるのは、俺に恨みがある人間だけじゃない。

お前の時代でいう所の江戸の町奉行

警察に目付けられてるんだよ。

お前の時代より格段に権力があるし、追跡能力も高い。

お陰で、闇の人間も生きずらくなってるんだ。」


『だからこの場で、「相棒のシグザウエルで散って逝く」って言いたいのね。』

「あぁ。元々お前に魂売ってるから、この先の命が短いこと位わかっているさ。」

男はそういうと胸ポケットからピストルを取りだし、自分のこめかみに銃口向けた。


その瞬間、

10年前(あの日)と同じ様な乾いたピストルの音が鳴り響いた。

コラボしたのは、「曼珠沙華の忍び」と「一流の執事」のコラボでした!

一流の執事で玄斗が臭わせていた悪魔は、

曼珠沙華の忍びの千(曼珠沙華の忍び)のことでした!

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