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嘘バチ
できれば僕は、僕のままでいたかった
嘘、はったり、脅し、虚勢
そんなものたちを使って、今までどおり生きていたかった
脆弱な連中に持ち上げられていい気になっていたかった
鼻持ちならないやつらに拳を振り上げていたかった
酔いに任せてつくった修羅場で啖呵を切っていたかった
ただ、もう駄目だ
僕は変わらなければいけない
正直にならなければいけない
きみに戻らなければいけない
小学校の昼休み、誰もいない図書室で、乱歩を読んで深く静かに興奮していた
あの頃のきみに戻らなければいけない
すまなかった
許してくれ
僕はまた本を読もう
きみにただいまを言おう
それでも僕が変わらなければ
僕はきみを抹殺する方法を考えなければ
いけない




