6話 忘却だって、精神安定剤のひとつ
僕っ子ですよ?
そう。僕っ子。
いやー、久しぶりにみましたよ。
中学校の時は、いましたからねー
「俺は~」なんて言う子が。
ん?僕っ子じゃないか。俺っ子だね。
あの子は、元気にやってるかな~
あいかわらず、竹刀持って走り回ってそうだなぁ。
あぁ、でも高校は空手部に入るて言ってたからサンドバッグにでも、蹴りをいれてるかもしれないなぁ~
ますます、女の子離れ……………………………………いや、人間離れしてそう。
…………今度会う時は、覚悟が必要かもしれない。
「おーい、桜唄さん~
聞こえてますか~桜唄さん~」
…………はっ!
いけない、いけない。
雪花ちゃんが呼んでました。
「ごめんなさい。少し、昔のことを思い出しまして。」
「大丈夫ですか?顔が、引きつってましたよ?」
………よし。あの子のことはもう思い出さないことにしよう。
主に、私の精神安定のために。
「多分、大丈夫です。
それで雪花ちゃん、何かありましたか?」
「人間体になったので、改めてお話をしようかなと思ったんですけど………」
まじまじと、雪花ちゃんをみつめます。
キラキラと輝く白銀の髪、クリクリとしたピンクのお目。瑞々しくぷっくらとした唇。
透き通るようなお肌、少し色付いたぽっぺ。
何なんだ!この可愛い生物は!
殺人的に、可愛いですよ!
「………雪花ちゃん、可愛いですねぇ。食べてしまいたくなりますよ。」
「食べるのは、やめて下さい…………
この手も、どかして下さい………」
「あぁ、いけません。雪花ちゃんが、可愛いのでつい、ナデナデしてしまいました。」
「うぅ、そうですか………
あのそれで、桜唄さんはどうやってここに来たんですか?」
「………どうやって来たんでしょう?
自転車に乗っていて、信号が赤だったので降りたら、ここいましたね。
で、振り向いたら雪花ちゃんがいました。
そう言えば最初何であんなに、噛んでたんですか?今は、ちゃんとした話し方なのに。」
ちいさいのに、ちゃんとした話し方なんですよ?なのに何であんなにも、テンパっていたんでしょうか?
不思議に思います。
「それは、いきなり目の前に桜唄さんが現れたからですよ。ビックリして、混乱してしまいました。」
「………それは、驚きますね。」
私でも、驚くと思う。何も無いとこからいきなり目の前に人が現れたら。
現れたの私、なんですけど。
「はい。それで、話し方も変になっていました。
………ところで、あの、桜唄さんは日本の方ですか?」
日本の皆様。
ドラゴンにも、日本は知られておりました。