キノコと消えた科学者
初投稿です!
結構はちゃめちゃですが楽しんで下さいo(^-^)o
「よいしょ…っと。これで最後かな。」
積み重なる箱の一番上にそれを置き家の中をぐるりと見回す。
家、と言っても見た目も中身も山小屋のようなお粗末なものだ。さらに周りは辺り一面岩、土、そして微量の草。山小屋のような、というより山小屋そのままだ。
何でも師匠の知り合いの科学者が建てたらしいが、なぜこんな辺鄙なところに建てたのか…。
まぁそんなこと言っていてもしょうがないか。
ここには師匠の仕事の都合で来た。しばらく厄介になるんだし、まずは掃除でもするかな。
「おーい、終わったかー?終わったんなら、こっち手伝えー。」
早速師匠のお呼び出しか。…掃除は後でしよう。
そう遠くない未来の話。温暖化は留まるところを知らず、南極の氷は全て溶けた。
それにより大地の大部分は海に沈み、残った土地も砂漠と化して人類が住めるところはほぼなくなってしまった。
今から数十年前、とある組織ができ、武力によって全世界を制圧した。そして今は支配という形の元で見かけ上の平和を保っている…。
「何ですか師匠ー」
「お、来たかエミ。これだこれ、見てみろ!」
この人が師匠。自称キノコ研究者。この過酷な環境で生き続けるその神秘に魅せられた…らしい。
余談だが私は決してキノコを研究したいわけではない。
私が研究したいのはもっと普通の植物だ。…普通の。
そんな気を知ってか知らずか、今も師匠の指さす先には鮮やかな赤のキノコ。
「…なんすかあの毒々しいキノコ。」
「お、正解だ!あれはベニテングダケといって猛毒をもつキノコなんだ。まだ生息していたのだな…。やはりここに来てよかった!」
「へぇ。凄いですね。」
気のない返事もスルーしてしゃべり続ける師匠。
「……胞子なんだ。そういえばあいつもこれには少し興味を持っていたなぁ。他のキノコは気にもとめなかったのに。」
「あいつって…もしかして知り合いの科学者さんですか?あの家建てた…」
「そうだ。あいつにこのキノコの毒の話をしたら少し食いついてな。その後ナメコの話をしたら仕事の邪魔だと言われたが。」
毒…ねぇ。
「まぁその頃そっち関係の実験してたからな。」
「今は何やってるんですか?」
「それが…数年前突然連絡がとれなくなってな。今はどこにいるのかすら分からない。」
「そう…ですか。」
何があるか分かったもんじゃないからな。
…待てよ?
「じゃあの家って」
「ああ、事後承諾でいいかなと。」
やっぱりか。まったくこの人は…
「怒られますよ?」
「だーいじょぶだいじょぶ」
その時麓の村が何やら騒がしいのに気づいた。
続きも随時書いていきます(≧▽≦)ゞ