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第一七章:仲良しキャンプファイヤー

今回はキャンプファイヤーデートです!

アリシアとアスタロテ、ベアトリスは仲良くなっていきます。

アリシア、アスタロテ、ベアトリスの三人は、

裏山でキャンプファイヤーをすることになった。


「結構広いのね」

ベアトリスが裏山に、

入るのは初めてであった。


「そうだな!」

アスタロテも感心する。


「キャンプファイヤーなんて……」

「初等部の時以来だわ!」


「ほう〜?」

「よくわからんが……」

「初等部とはなんだ?」

アスタロテが知らないのも当然であった。


「学校よ!」

「六歳から一二歳くらいまで、」

「通って学ぶの!」

アリシアは過去を思い出すが……


「その時もドラゴンと」

「キャンプファイヤーしたのか?」

アスタロテは表情を変えず、

とんでもない発言をする。


「さすがにしないわよ!」

「人類滅亡しちゃうわ」

アリシアはアスタロテの肩を揺さぶる。


「そうか」

「ならば……」

「全力で火をふくとしようかの!」

ドラゴン形態に変身する。


「やっぱり……」

ベアトリスは確信する。


「どうしたの?」

「ベア」


「昔ね……」

「アンガス湖で」

「あいつを見たことあるのよ」

「まだ若かったわ……」


エミリーと一緒に……

ベアトリスは過去を思い出して、

暗い表情で立ち尽くす。


「私も子供の頃に、」

「見たことあるわ!」

「同じね」

アリシアは暗い表情のベアトリスを見つめて、

肩を思いっきり揺さぶる。


「……そうね」

ベアトリスは全然、

元気が出ない。


「しょげるな!」

「余のフルパワーをみよ!」

火球を上空に飛ばし雲が晴れて、

星々が見えた。


「すごいわ!」

「ねえ!」

「三人で星を見に行かない?」


「え?」

「よいぞ!」

「ベアトリスよ」

「余に乗るがいい!」


ベアトリスはアリシアに手を引かれて、

強制的に連行され右手の上に二人で乗る。



アスタロテは百二十メートルの巨体で、

二人に話しかける。

それと同時に空へ向かって飛び立つ。


「名前……」

「覚えてたの?」

アスタロテがドラゴンになったことより、

自分の名前を覚えていてくれたのが……

意外だったのだ。


「アリシアや他の者が、」

「言っておったからの!」

「戦友の名前を覚えられないほど……」

「ぼけておらんぞ」


「少しは元気を出せ」

「何に悩んでおるかは知らんが!」

アスタロテは腹を左腕でバシバシと叩きながら、

陽気に話を続ける。


「ありがとう」

「あの執事より遥かに、」

「好きになったわ」

ベアトリスは気遣いに、

感謝し穏やかな顔になった。


「余はモテモテだな」


「余裕たっぷりなんだから~」


「当たり前であろう!」


「五千歳とか誰よりも年上になりそうね」

アリシアとアスタロテの夫婦コントが始まった。


「良いことばかりではないぞ~!」

「失うものが多すぎるからな……」


「ごめん……」

アスタロテの手のひらに、

乗っているアリシアが指先に抱きつく。


「気にするな」

「アリシアは悪くない」


「だ、だいぶ高いのね」

ベアトリスは下をみて、

怯えたように話す。


「そうだな」

「ざっくりと……」

「千メートルくらいかの~」


「そこそこの山と同じ高さね!」


「寒いか?」


「少しね……」


「任せろ!」

アリシアを暖めるために、

赤色の火球を連発する。

火球が爆発して、

熱風が伝わってきた。


「綺麗な花火ね」

「王国のよりも……」

「ずっと綺麗」


「惚れたか?」

「う、うん……」


「こうやってデートとやらを、」

「楽しむのもよいな」

とても良い雰囲気の二人だが……


「私のこと忘れてないかしら?」

ベアトリスは思わず突っ込んでしまう。


「ちゃんと覚えておるぞ」

「少し前に……」

「セカイを滅ぼせ!」

「こんな感じで、」

「叫び散らしていたであろう?」


「あんなに馬鹿でかい声で、」

「叫び散らす人間は、」

「初めてだったぞ!」


「オマケに命令してくるのだからな」

「あの頃に比べたら、」

「お主は多少老けてるが……」


「余は耳もいいのじゃ」

ベアトリスにウィンクするアスタロテ。


「あなた……」

ベアトリスは隣にいるアリシアの、

肩を突然掴む。


「ベア平気?」

「具合悪いの?」


「アリシア」

「結婚するなら、」

「このドラゴンにしなさい!」

真顔で爆弾発言をする。


「えー!?」

「ベアどうしたの!?」

「寒さで頭がおかしくなった?」


「正常よ」

このドラゴンになら、

姪っ子を任せられるわ。

どこかの執事と違って……


ベアトリスは覚悟を決めた。


「お主ら本当に面白いの!」

「一緒にいて飽きないわ!」

「三人で卵を育てんか?」


「いいわね!」

アリシアとアスタロテは一心同体だ。


「私は……」

「母親になる資格なんかないわ……」

ベアトリスは


「大丈夫だぞ」

「あれだけ余に対して、」

「偉そうに言える人間は……」

「いないからな!」


「子育てすることで、」

「意外と新しい一面が、」

「見つかるかもしれないぞ」


「そうなのかしら……」

自分のような存在が子育てしてもいいのか?

幸せになってもいいのか?

ベアトリスは苦悩し続けている。


「一緒に頑張りましょう?」

「ベアがいたら心強いわ」

「常識がある諜報員は、」

「何でもできるし!」


「ああ、もうわかったわよ」

ベアトリスには、

もう開き直るしか道はなかった。


「おお!開き直ったか!」

「よいぞ!」

「そろそろデートもおしまいにするか」


アスタロテは屋敷へ向かって、

引き返し始める。


「三人でデートって変でしょ……」

ベアトリスは真面目に突っ込みを入れるが……


「構わんぞ」

「余は心が広いのじゃ!」


「まあ楽しかったわよ……」


「そのうち良い出会いがあるぞ!」


「そうよ!」

「ベアはいい人だから!」

「素敵な人か怪物に出会えるわ!」

アリシアとアスタロテは大笑いしている。


「付き合うなら人間が良いわね……」

ベアトリスはため息をつきながらも、

微笑むのであった。


そして無事屋敷に到着した二人と一匹。

「今日は余の腹の上で寝るか?」


「落ちたら死ぬから、」

「私は遠慮するわ……」

ベアトリスは即座に反応する。


「仕方ないの……」

「皆で寄り添い合って寝るか」

「外でな!」


「卵も?」

アリシアは大切な卵のことを聞く。


「当たり前であろう」


「ベビーベッド動かすの大変なのよ」

ベアトリスは呆れかえるが……


「余が運ぼうではないか!」

アスタロテは率先して行動する。


「あなた本当にポジティブなのね」


「当たり前であろう!」

「何千年と生きた結果だ」

「メソメソするよりも、」

「未来に目を向けた方が良いからな」


アスタロテは自らの人生観を、

誇らしげに話し始める。


「見習った方がいいわね……」

ベアトリスは屋敷を見つめて、

ぼそりとつぶやく。


「お主もまだ若いだろ」

「今からでも間に合うぞ」

「それにアリシアを見てみろ」

「何事にも一生懸命ではないか!」


「心優しいところもね……」


「さすが余の妻になるだけのことはある」


「もはや確定事項なのね」

ベアトリスはアスタロテが卵が、

乗ったベビーベッドを、

大切そうに運ぶのを見守る。


「キャンプ道具持ってきたわ」


「ありがとう」


「余も可愛い卵を持ってきたぞ」


「ドラゴン形態で寝るか?」

「それとも人間形態の方が良いか?」


「どっちでもスキな方で」

「屋敷を壊さなければ……」

ベアトリスは手をひらひらさせて、

適当にあしらう。


「ではドラゴン形態で寝るとしよう」


「とぐろを巻くのも圧巻ね」

アリシアは百二十メートルのアスタロテが、

とぐろを巻くのを見て大喜びする。


「まあ寒くないからいいわ」

ベアトリスはテント設営をテキパキと行う。

アリシアは中に寝袋を広げる。


「夏前だからね」

「皆おやすみ」

アリシアは疲れていたので、

すぐに横になった。

テントの入り口は開けたままだ。


「早いわね……」

「おやすみなさい」

ベアトリスも同じく横になるが……


「よい夢をみれるといいな!」

「我が妻よ!」

「ベアトリスもな!」

アスタロテが馬鹿でかい声で、

叫び散らす。


「近所迷惑なくらい声が大きいわよ」


「大丈夫よ」

「十キロ先まで家はないから……」

こうして二人と一匹、

卵は寄り添い合って眠った。


工房から出てきたガランドは、

無言のまま微笑んでいた。



案の定ぶっ飛んだキャンプファイヤーでしたが、お楽しみ頂けましたか?

次回はシアンとクララのお話になります!

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