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楓丹夜襲戦

烽煙、フォンテーヌに立つ


(ほうえん、フォンテーヌにたつ)


夜闇がフォンテーヌの柔灯港を包み、港の灯台は烈風に揺られ、昏い光を海面に投げかけていた。突然、遠くの海面に無数の黒影が現れ、袁紹の戦船はまるで幽霊のように、この静かな地にひっそりと迫っていた。


袁紹は旗艦の甲板に立ち、鷹隼のように鋭い眼光で目の前の柔灯港を見渡していた。黒の甲冑をまとい、精巧な兜を戴き、周囲には人を戦慄させる威厳の気配が漂っていた。

「全军に上陸を命じる。必ず夜明けまでに柔灯港を落とせ!」

袁紹の低く堅い声が夜空に響き渡った。命令が下ると戦船は速やかに岸に寄せ、兵士たちは潮水のように浜辺へ押し寄せた。


柔灯港の守備隊が敵情に気づいた時はすでに遅く、袁紹軍の突然の奇襲に手も足も出なかった。袁紹は大きく手を振り、真っ先に精鋭兵を率いて港の防御陣地へ襲いかかった。フォンテーヌ軍は反応すると火縄銃を手に反抗を始め、一発ごとの銃声が夜空を切り裂き、弾丸は轟音を立てて袁紹軍に飛び込んでくる。しかし袁紹はすでに準備を済ませており、冷静に号令をかけた。

「盾兵、前へ! 盾陣を組め!」


盾兵たちは速やかに動き、隙間なく整列し、奇妙な「戦車型」の盾陣を幾重にも形成した。これらの盾陣はゆっくりと前進し、袁紹軍を隙間なく守り抜く。火縄銃の弾は盾に叩きつけられ「バンバン」と音を立てるものの、盾陣の中の兵士に実質的なダメージを与えることはできなかった。


盾兵の掩護のもと、袁紹軍の先鋒部隊はたちまちフォンテーヌ軍の第一防線を突破した。袁紹はこれを見て唇に冷笑を浮かべ、続けて命令した。

「魚油爆弾を取り出し、焼き払え!」


兵士たちは用意していた魚油爆弾をフォンテーヌ軍の陣営へ投げ込んだ。爆弾は地面に触れると破裂し、大火を噴き上げ、風に乗って勢いよく燃え広がり、フォンテーヌの陣営は瞬く間に火の海と化した。


フォンテーヌ国境守備隊は勇敢に抵抗したものの、袁紹軍の猛烈な攻撃の前に多大な犠牲を出した。若い国境士官の一人は剣を振り回し、大声で叫んだ。

「諸兄衆、防線を守れ! 奴らの思う壺に乗るな!」


しかし潮水のような袁紹軍の攻勢の前に、ついにその士官は血の中に倒れ、佩用の剣も戦いの中で折れてしまった。


時が経つにつれ、柔灯港の大部分は袁紹軍の手中に落ちた。袁紹は燃え盛る港を眺め、眼中に得意の色を湛え、側の武将に振り向いて言った。

「さらに進め! フォンテーヌ廷はすぐそこだ。一気に押し詰め、フォンテーヌ全域を手に入れる!」


袁紹軍はさらにフォンテーヌ内陸へ進撃し、臨むところ全てが戦火に包まれた。フォンテーヌ各地の守備隊は次々と援軍に駆けつけるものの、袁紹軍の攻勢を食い止めることは叶わなかった。ある激戦ではフォンテーヌの騎兵部隊が側面からの奇襲を試みたが、袁紹はすでに警戒を敷いており、弓弩手に一斉射撃を命じた。騎兵たちは次々と矢を受けて馬から墜ち、奇襲計画は失敗に終わった。


さらにフォンテーヌの歩兵精鋭部隊が地形を熟知し、ある谷間に伏兵を仕掛け、袁紹軍に肩を落とさせようとした。袁紹軍が伏撃圏に入った時、フォンテーヌ軍は突然攻撃を開始し、矢は雨のように降り注いだ。しかし袁紹は慌てることなく、盾兵に防御陣形を組ませると同時に精鋭部隊を送り込んで反撃させた。激しい格闘の末、フォンテーヌ軍の伏撃は成功せず、逆に多大な損害を被った。


戦いが長引くにつれ、多くのフォンテーヌ国境守備兵が戦場に倒れていった。火縄銃の轟音の中で倒れる者、大火の中でもがく者、白兵戦の末に命を落とす者……。しかし彼らは死ぬまで抵抗を諦めず、自らの命をかけてこの地を守り抜いた。


袁紹軍は濁流のように進み続け、フォンテーヌ首都・フォンテーヌ廷にますます近づいていった。道中の村や町は戦火で廃墟と化し、民は故郷を失い、泣き声が野に満ちた。袁紹軍の旗は風になびき、まるでフォンテーヌ廷にさらなる災厄が迫ることを告げているかのようだ。フォンテーヌ廷の上空には黒雲が垂れ込め、フォンテーヌの運命を決する大戦が、いよいよ幕を開けようとしていた。

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