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龍脊雪山掃討戦

竜脊雪魔蕩・飛将狂澜に戦う


(りゅうせきゆきまとう・ひしょうきょうらんにたたかう)


呂布はモンドの竜脊雪山りゅうせきゆきやまの麓に立っていた。冷たい烈風が吹雪を巻き上げて襲い来り、彼の真紅のマントをなびかせていた。彼は永久に氷雪に覆われた山々を見上げ、眉を少し緩め、手にする方天画戟ほうてんがくきの穂先をそっと地面につけ、鈍い音を響かせた。

「ふん、下賤の魔物どもが、この地で禍をなすとは。今日、ことごとく殲滅せんめつしてやる!」

言い終えると、彼は身を翻して赤兎馬せきとばにまたがった。馬蹄が雪を蹴り上げ、一面の雪煙を巻き上げ、雪山の奥深くへ疾走していった。


雪山に足を踏み入れて間もなく、呂布は最初の魔物群と遭遇した。粗末な武器を持ったヒルチャールたちが、叫び声を上げて四方から取り囲んでくる。これらのヒルチャールは全身に霜をまとい、体は小さいものの数は膨大で、呂布と赤兎馬を隙間なく包囲した。呂布の口元には蔑む冷笑が浮かび、両脚で馬腹を挟むと、赤兎馬は長く嘶き、大きく躍り上がってヒルチャールの包囲を突き破った。呂布は方天画戟を舞わせ、戟刃が空気を切り裂いて冷たい光を引き、臨むところヒルチャールは次々と悲鳴を上げて倒れた。血は雪に飛び散り、瞬く間に吹雪に埋め尽くされた。


このヒルチャール群を始末すると、呂布はさらに奥へ進んだ。雪山の内部へ進むほど気温は下がり、環境はますます過酷になる。吹雪が立ち込め視界は極端に悪かったが、呂布は鋭い知覚で危険の接近を察知した。巨大な氷スライムが雪の斜面から転がり落ち、彼に襲いかかってくる。呂布はあわてる様子もなく方天画戟を振り、氷スライムに強く突き刺した。穂先は氷スライムの体を貫き、强大な力でそのまま打ち砕いた。氷スライムは「バシャ」と砕け、無数の氷の破片となって飛び散った。


しかし呂布が息をつく間もなく、一群の氷深淵術師こおりしんえんじゅつしが突然現れた。術師たちは黒衣をまとい、手にする杖は青みがかった幽光を煌めかせ、呪文を唱え始めた。瞬く間に大量の氷棘こおりとげを召喚し、呂布に向けて射ち込んでくる。呂布の目は鋭くなり、赤兎馬を操って躱しつつ、方天画戟を振り回して飛来する氷棘を次々と払い落とした。氷棘が方天画戟に激突する清らかな音が響き、幾重もの氷の花が舞い上がった。


「虫けらの技!」

呂布は一声どなり、一気に力を込めて氷深淵術師に突撃した。その速さはまるで黒き稲妻のようで、瞬く間に術師たちの結界を突破した。方天画戟は彼の手の中で風を切り、数合わせもせぬうちに氷深淵術師は大半が討ち取られた。残った者たちは形勢を見て逃げ出そうとしたが、呂布がその隙を与えるはずもない。彼は弓を引き絞り、鋭い矢が風を切って鳴り、逃げる術師たちを的確に射抜き、一人残らず討ち取った。


氷深淵術師を始末した呂布は、さらに雪山の深部へ進んだ。ここはすでに雪葬之都せっそうととの遺跡付近で、神秘的で危険な気配が充満していた。周囲の建築は崩れ落ち、氷雪に覆われていちめん陰気で恐ろしい。呂布は警戒しつつ周囲をうかがうと、突然、地中から低い唸り声が響いてきた。続いて地面が激しく揺れ動き、巨大な氷風魔竜ひょうふうまりゅうが地を裂いて現れた。


この氷風魔竜は体躯極めて大きく、全身に刺すような寒風と冷気をまとっていた。翼を広げれば数十メートルに及び、羽ばたくごとに強風が巻き起こり、周囲の積雪を舞い上がらせた。氷風魔竜は咆哮し、呂布に向けて強力な氷息を吐き出す。氷息の臨むところ、万物は瞬く間に凍りついた。


呂布はこれを見て、急いで赤兎馬を操り身をかわした。彼は氷風魔竜の威力を心得て、少しも油断できない。赤兎馬は雪の上を俊敏に駆け回り、氷風魔竜の攻撃を躱し続けた。呂布は隙を見計らい、両脚で鐙を強く蹴って赤兎馬から大きく躍り上がり、手にする方天画戟に一往無前の気勢を込め、氷風魔竜に突き刺しにいった。


危険を察知した氷風魔竜は翼を羽ばたかせ、強大な気流を巻き起こして呂布を吹き飛ばそうとした。しかし呂布は圧倒的な身体能力と高超の武術をもって気流中で体勢を立て直し、強引に氷風魔竜に接近していった。距離が縮まるほど、彼の方天画戟の光はますます眩しく輝いた。


呂布が氷風魔竜を刺そうとする刹那、魔竜は突然、冷気の塊を吐き出して呂布を包み込んだ。呂布は全身に激しい冷気を感じ、動作が一瞬鈍った。氷風魔竜はこの隙に爪を振り下ろし、呂布を捕らえようとした。呂布は心の中で驚き、急いで方天画戟で受け止めた。爪と戟が激突する大きな音が鳴り響き、呂布は强大な力で弾き飛ばされ、雪の上に強く叩きつけられた。


「ふん、手強い」

呂布は雪の中から起き上がり、口の血痕を拭い、瞳には不屈の決意が宿った。深く息を吸い込み、体内の気力を駆り立て、再び氷風魔竜に襲いかかる準備を整えた。この時、彼は無謀な攻撃をせず、氷風魔竜の攻撃パターンと弱点を観察し始めた。


しばらく観察した結果、呂布は氷風魔竜の腹部が比較的脆弱であることを見抜いた。そこで赤兎馬を操り、魔竜の周囲を駆け回り、絶えず隙をうかがった。氷風魔竜は呂布の動きに怒り、氷息を吐き続け爪を振るって襲いかかる。しかし呂布と赤兎馬の呼吸はぴったりと合い、毎回巧みに攻撃を躱し抜いた。


ついに呂布は絶好の隙をつかんだ。赤兎馬を加速させて大きく躍り上がらせ、馬の力を借りて氷風魔竜の腹部に突進した。魔竜は危険を察知して躱そうとしたが、もはや手遅れだった。呂布の方天画戟は氷風魔竜の腹部を強く貫き、强大な力でその体を突き通した。


氷風魔竜は苦痛の咆哮を上げ、体がふらつき始めた。もがきながら翼を羽ばたかせ、最後の抵抗を試みようとした。呂布がその隙を与えるはずもなく、方天画戟を抜いて再び襲いかかった。連続する攻撃の末、氷風魔竜はついに耐え切れず、どすんと地に倒れ、巨大な雪塵を巻き上げた。


氷風魔竜の敗北と共に、竜脊雪山の魔物たちはすべて打撃を受け、反抗する力を失った。呂布は勝勢に乗じて追撃し、残る魔物を一人残らず始末した。最後の魔物が倒れた時、呂布はひと息つき、方天画戟を収めた。自らが清めた竜脊雪山を眺め、胸中に達成感が湧き上がった。

「ふん、これでモンドの民も安んじて暮らせるだろう」

言い終えると、再び赤兎馬にまたがり、ゆっくりと雪山の麓へと下っていった。

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