ポートオブモス奪還戦
跨世戦雲:オモス港の激突
異形の混沌たる虚空の中、空間の法則はまるで無形の大いなる手によって無邪気に揉み砕かれていた。
一方は、三国時代の常山・趙子龍。銀甲に白馬、槍の穂先は冷たく煌めき、身のうちから百戦錬磨の名将たる颯爽とした英気を放ち、背後には威風堂々、陣容整った蜀漢の大軍が控えていた。
もう一方は、原神世界における赤き砂の守護者・セイノ。彼は独特の赤き甲冑をまとい、長槍には符文が巡り、一頭の白髪は風になびいていた。配下の砂漠の戦士たちは眼光鋭く、砂の息子たる悍勇さを湛えていた。
得体の知れぬ召喚の力が、異なる时空より来たるこの二つの強軍を、見知らぬながらも繁栄した港——オモス港へと運んできた。
だが今のオモス港は袁術の軍に占拠され、掲げられた旗には「袁」の一字が鮮やかで、兵士たちのどぎつい声には横柄な気勢がみなぎっていた。
趙雲はそっと手綱を引き、白馬は前蹄で地面を蹴り、一声嘶いた。
眼光冴え渡り、港の防衛線を見渡すと、側の副将に語った。
「この港が占拠され、庶民は苦しみを受けよう。我らが来た以上、必ず逆賊を追い払わねばならぬ」
セイノは静かに頷き、長槍を地面に突き立て、重く言い放った。
「この地を、こんな貪欲な輩に踏み荒らさせてはならない。共に行こう。真の力を見せてやる」
戦鼓が鳴り響くと共に、趙雲とセイノは率先して先頭に立ち、軍を率いて港へと突撃した。
袁術軍は慌てて応戦し、蝗のような矢雨が連合軍へと降り注いだ。
趙雲は少しも怯まず、硬弓を手に取り、羽根矢を番え、弦を満月のように引き絞った。
矢は風を裂いて轟音を立てて飛び、的確に袁術軍の弓手を一人また一人と射落としていく。
セイノは槍の影の中を縦横に駆け、彼の長槍の届くところ、敵は次々と倒れた。
砂漠の戦士たちはその後に従い、蜀漢の軍と気まぐれに呼吸を合わせ、まるで一振りの刃となって、袁術軍の防衛線へと深く食い込んでいった。
袁術は後方の営幕で前線の窮状を知り、怒りをあらわに、自ら甲冑をまとって出陣した。
駿馬にまたがり、大刀を手に、咆哮しながら戦場へと突進してきた。
趙雲は遠く袁術を眺め、瞳に冷たき光を宿し、心の中で思った。
「これは賊首なり。今日必ず捕らえねばならぬ」
彼は馬の腹を両脚で挟み、白馬は放たれた矢のように疾駆していった。
セイノも趙雲の狙いを察したのか、長槍を振るって進路を開く。
二人は左と右、まるで二つの流星のように袁術に迫った。
袁術はこれを見て心を驚かせながらも、数に頼って、思い切って応じてきた。
趙雲と袁術は一瞬にして激突し、槍と刀がせめぎ合い、火花が飛び散った。
趙雲の槍術は精妙無比、一突き一突きに鋭い気勢が込められている。
袁術は必死に応戦するものの、趙雲の攻撃の前に次第に劣勢となっていった。
その隙を見た趙雲は、一気に槍を袁術の喉元へと突き出した。
袁術は青ざめ、慌てて身をかわし、この一撃は頬をかすめて通り過ぎた。
趙雲は手を緩めず、反対の手で弓を抜き、馬上で身を翻し、動作は一瞬にして完まく。
弦が音を立て、一矢、袁術に向かって真っ直ぐに放たれた。
袁術は間に合わず、本能的に手でかばった。
だがこの矢は勢いあまり、そのまま掌を貫き、なお余力を失わず口元に命中。
奥歯二つがあっけなく撃ち落とされた。
「ぐああ!」
袁術は悲鳴を上げ、口を押さえ、血が指の隙間から湧き出てくる。
彼は恐怖に染まった瞳で趙雲を眺め、心には恐怖が潮のように押し寄せた。
その時、セイノもまた斬りかかり、長槍の先を袁術に突きつけた。
袁術は今日、この二将の勇には敵わないと悟り、慌てて撤退を命じた。
袁術軍は主将が敗退したのを見、たちまち士気が崩壊し、ありったけの武具を捨て、港の外へと逃げ惑った。
趙雲とセイノは軍を率いて勝ちを追い、喊殺の声が天地に轟いた。
オモス港の庶民たちは家に隠れ、窓からこの様を眺め、胸に喜びと興奮をみなぎらせた。
この戦の後、オモス港は見事に奪還された。
趙雲とセイノは港の城壁に立ち、新たに生まれ変わった港を眺め、感慨ひとしなりに思いを馳せた。
彼らは異なる时空の出身でありながら、正義と平和を守るため肩を並べて戦い、一つの伝説たる跨世の戦いを刻んだのであった。




