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-3 騒動

今回は短めです。

 今日は6月7日月曜日。一週間の始まりだ。


 さらに部活も無し。今月に入って、五回目の無許可の休みである。大丈夫だろうか、ウチの部活。こんなにテキトーで、活動停止にならないだろうか。日曜には西高との親善試合もあるのに……。


 ……平気だろ。ウチのガッコ、校則ゆるいし。


 俺は自分の高校の校訓を思い出した。


 校訓:


 『のんびり』


 ………………………………。


 さて、仕事仕事♪


「今日もみんな、頑張るぞ!」


 ………………………………。アレ?返事がない。


 俺は後ろを振り向いてメイド共を見る。完全にそっぽを向いていた。え~。


 この前の一件、通称『橘希我身障事件』(俺は認めていない)以来、ここの女子共は俺を完全無視している。いをすらだ。


 今や俺が店で話しているのはあの中マッチョ(中くらいのマッチョ。マウス☆ピース造語)の長谷川さんだけである。……さらば俺の一方通行ハーレム。


「さて、今日もみんな頑張るわよ!」


 おおーーー!


 美少女軍団は、架奈の掛け声にムカつくほどいい返事をしやがった。ああイラつく!


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


「お客が来ない!!!」


 痺れを切らしたようにエアルが叫んでいた。


 店の中は、俺達店員だけである。


 3時半から開店するこの店は、客がダムから出る貯水のようにたくさん来る。大げさかもしれないが、多いときにはこの店のある商店街の通りの端から端まで行列ができる。……あの時の売り上げは確か百ま……げふんげふん。


 しかし、特に何もない平日に、これほどまで人がいない時がこの店には、休憩以外、なかった筈だ。


 「何かあったのかしら。ちょっと近所の常連さんの家見てくるわね」と言って、さっき千沙さんが店を出て行ったきり、何も起きていない。俺達はただただ時間を消費するだけだった。


「何で何で何で何でなんでーーーーーー!こないだあんたが一人でぼそぼそ言ってたから?!そうねそうなのよそうに決まってる!土下座しなさいこの犬が!」


「はぁ……」


「……何よ。いつもみたいに突っかかってこないわね……」


「いや、マジで俺の所為なのかと……」


 そうだとしたら、まずこいつらではなく、お客さんに土下座しに行かなければならない。これでも一応店長(代理)だ。自分の不祥事は自分で責任を取って片付けなければ。


 というか、こいつ、6日ぶりに俺と話したな。異常事態な為、無視していた事をすっかり忘れているらしい。


「あんた、変なところで律儀よね」


「そうか?」


「律儀っていうか、おせっか……」


 バァーーーーーーーーン!


 俺とエアルが話していたら、いきなり店のドアが開いた。


「……千沙さん?」


 そこにいたのは寺岡千沙だったのだが、乱れた髪とゼェゼェと息を吐いて俯いている所為で、一瞬誰だか分からなかった。


 ずんずんと店の中に入ってくる千沙さん。


 そして俺は手首を掴まれ……………痛い痛い痛い痛い!


「ちょ、千沙さん!力強すぎ!余裕でこれ林檎潰せちゃうから!」


「いいから来て希我君!」

  

 そして俺は冷房の効いていない店の外へ駆り出された。それに続けて客は来ないだろうと思ったらしい店員共もついてきた。


 水無月の蒸し暑い熱気が俺を包み込む。


 これからもっと暑苦しい状況に置かれるのにもかかわらず、能天気にも「千沙さんの手、すべすべだな」と、このときの俺は思っていた。


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 喫茶店『マウス☆ピース』は、水市の西区と東区のちょうど境目にある店だ。


 商店街の一角でもあるこの店は、周りの環境によって売り上げを伸ばしてきたと言っても過言ではない。


 しかし、市の中心部にあるのはもちろん喫茶店だけではない。


 俺の目の前にある「水市公民館」も、西区と東区の境目にある。


 この公民館は、図書館、博物館、水族館、体育館、プール、テニスコート、etc…………、とにかく、「公民館」とは名前だけの、何でも付いている巨大な町の遊び場・研修場である。ここに来るだけで小学生低学年の遠足や社会科見学は済んでしまうという、この町のウリのひとつである。


 しかし、この公民館の正しい入り口は、設備を勝手に壊されないように、この正面ロビーだけである。そのおかげで、人がたくさん集まるのだが、



今日はざっと300の人間がロビーの前で揺れていた。


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「よく見りゃ東高と西高の生徒ばっかじゃねえか……」


 視界の約5割が、東高の青が主体のブレザーと西高の赤いブレザーで埋めつくされていた。あとの3割が野次馬で、残りは風景だ。


 どうやらウチの店に来る連中もこの野次馬の中にいるようで、常連客の幾人かは確認できた。まったく、困ったもんだ。


 しかし、何だってこんな事態になっているのだ?異様な空気に、ウチの女共は少々怯えていた。……俺には強気なクセに、生意気な……。


 さて、俺は今あるがままの状況を整理する事にする。


 目の前に見えるのは赤と青、二つの色の集団。交わる部分で唾を飛ばしながらお互い口論している。


 他の生徒もその交差地点の連中に同調して、何かに対して怒りをぶつけている。


 そして俺は千沙さんに掴まれたままその争いの中央へ……って、え?


「みんな!連れてきたわよ!私達の希望の星を!」


 おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


 大地が、揺れた。


 俺、どうなるんだろう?  

この話は録っておいたエンジェ●ビーツ(6)を見て泣きながら書いていたので、少々自分の思い描いていたカンジになりませんでしたが、こっちのがいいものだったので、このまま入稿しました。


自分のテキトーさに我ながら唖然wwwwwww

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