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-11 兄

 久々のマウスピースの更新です。


 うう、眠い…とある実況者さんの配信見てきて頭がボーっとする…

 いをに手を振って独りで歩いていると、小降りの雨がアスファルトをしとしとと黒ずませている事に気が付いた。あまり濡れたくなかったので、公園の反対側、住宅地に沿って歩く。


 すると、見慣れた赤茶のショートヘアーを公園のブランコに……昨日、稜ちゃんと話したあの場所に、座っているのを見かけた。


 やれやれと思って、ざっ、ざっと彼女に近づく。


「何してんだ?風邪引くぞ?」


「……………あんたがちゃんと来るか、確かめるために待ってたのよ……」


「おい……まだ朝の事怒ってんのか?悪かったって。今度なんかおごってやるから、元気出してくれ。な?」


「べ、別に、怒ってなんか……」


 何か言いたくて、でも言いたくない。そんな困ったような表情が彼女に浮かび上がった。……何だろう?


「…………稜ちゃんの家、行くんでしょ?」


「…あぁ」


「……じゃ」


 ブランコを後ろまで引いて、足を地面から離すエアル。ブランコの角度が70度くらいに達した所で、手で鎖を掴むのも放棄。宙に飛んだ彼女はまだかなり高さがあるのにも関わらず宙返りを2回転成功させ、「?!」体操選手のような着地をして、こちらを見た。


「行こうか、鈴木家。あたしもついていくからさ……って勘違いしないでよね!別にあんたが…」


「ちょっと待てーーー!お前の典型的ツンデレを日が暮れるまで楽しむのも悪くないが、その前に俺はツッコまなきゃいけない事がある気がする!」


「……? あぁ、そうね。よい子のみんなは危ないから真似しないでね!」


「着眼点は間違ってないけどそれも違う!つかまずキャラが違う!俺が言いたいのはお前の身体能力の異常さだ!」


「そ、そんな言い方ないじゃない……確かに100メートル走のタイム1時間は確かに身体能力を疑うけど……」


「そうだったの?!そりゃ異常だけど俺は今この場で急にやった新体操部顔真っ青のパフォーマンスについて聞いてるんだが!」


「もー、そんな事どうだっていいじゃない。大事なのは、今、この青春を駆け抜ける事でしょ?」


「いやいやいやいやたった今は自称鈍足女が砲弾の如く飛んだ理由を聞く方がよっぽど大事だわ!」


「? 砲弾?誰の事?」


「ここに来てまさか自覚皆無発覚!」


「ほらごちゃごちゃうるさい!いいから行くわよ!」


「良いわけねーだろ馬鹿女……ってごめんなさい!貴女の握力で首根っこ掴まないでー!」


 少し雨が強くなる中、俺は怪力鈍足という微妙なステータスを持った幼なじみにずるずると引きずられったのである。


 今は少し入りづらい、鈴木家へ。



 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 ぴぃんぽーん……。


 分厚い雲に閉ざされた静かな空間に電子音が鳴り響く。インターホンのライトが、若干暗い空の中明るく光った。それは、鈴木家のどちらかがこちらを見ているということだが、今はもうかまってられない。ちゃんと謝らなきゃ、ケジメがつかない。


 返事としての低い声は、割とすぐに来た。


「希我君、か……」


 しかし、声の主は兄貴の方だった。


「鈴木さん……あの、り……」


「稜ならまだ帰って来てないよ。多分、茶道部に出てるんじゃないかな?どうする?俺から謝っておこうか?君も今度の試合に向けての準備があるでしょ?」


「…………稜ちゃんから、話を聞きました?」


 予想外だった。彼女はそういう重い話は家族…兄にはしないと思ったが……。昨日から、彼女の行動力というか、想いの強さには驚きを隠せない。


 ……いや、家族の事がそれほど大切という裏付けなのかもしれない。そう思うと、なんだか胸が切なくなった。


 …と、何の前触れも無しに玄関のドアが開いた。そこから出てきたのは、やはりこの家の主だった。


「いやー、昨日の夜いきなり稜が泣いて帰ってきた時には流石にキミを殺そうと思ったけど」


 背筋がゾッとした。この人が余程のシスコンなのを考慮するのを忘れていた…。


「でも、事情を聞いたら悪いのは…



 俺だから」



『は?』



 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「まぁ、テキトーな所に座って」


 客間らしき和室に通された俺達はお茶を出す鈴木さんと共に座布団に腰を下ろす。全員が湯飲みに口を一回つけると、エアルが話を切り出した。


「鈴木さん……『悪いのが俺』って…一体どういう…?」


「…………。っていうか、何でエアルちゃんここにいるの?」


「あ、っと…えとですね…」


「俺が連れてきたんですよ。事情を説明して」


「…え!?」


 エアルが困惑の声を上げる。俺は構わず喋り続ける。


「偶然、俺が昨日公園へ歩いていくのを見ちゃったらしくて。で、何してたんだって言われちゃいまして。今日もついて行くって聞かなくて」


「そうか…」


「ちょ、ちょっと…」


「あ?」


 エアルは俺の服の裾をちょいちょい引っ張り、小声で話しかけてきた。


「(何で、正直に言わなかったの…? 別に言ったって…)」


「(直接現場を見るのと話を聞いたってだけじゃ向こうの対応が変わる。もしかしたら、お前は巻き込まなくて済むかもしれない)」


「(な…! 何ソレっ! あたしじゃ、頼りにならないってコト…!?)」


「(わかってくれ。できればやっかいな事に巻き込みたくないんだ。お前ら全員)」


「…そう、分かったわよ…」


 俺達の会話はエアルが折れるという形で一端終了。さて、問題は…。


「さ、俺の話…っていうか、懺悔、聞きたいよね…?」


 鈴木さんの言葉に、頷く。


「何から言っていいものやら…分かんないけど、まずは…」


 そして鈴木さんは開口一番、重大な…本当に重くて、大きい事実を、俺達に伝えた。





「俺と稜は、本当の兄弟じゃない」


 …?


 意味が、よく分からない。


「俺の、本当の兄弟は…」


 だって、稜ちゃんは…




「翔の…お前が週末に戦う双子の男の、方なんだ」

 さて、今回も空白の多い書き方にしましたが、いかがでしょう?

 変えて欲しいという要望があれば、空白少なくしようと思います。


 感想欄か、俺のSkypeにご意見をください。


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