女の子の香り♡
(^^;) クレームが来たら削除いたします。
『私達には間違っても挟むモノが無いからね!』
変な容疑が掛けられないように前置きして、お母さんから借りて来た『キラービーはいちご味』全6巻を……
今、聖也が読んでる。
私のベッドの上の山は1、2巻と4、5、6巻に振り分けられ……聖也の手に持った3巻がもうすぐ終わる。
と、いう事は……
聖也がバレないように用心深くしても……
コクリ!と唾を飲み込む音を私は聞き逃さない!
だって、“そういうエッチな箇所”なんだもん!
『リボンのゴムが片方引っかかったままのスクールシャツのボタンを“キラービー”が外していく』シーン!!
モノクロなのに……私、ヒロインの“綾ちゃん”の胸元の色が分かる気がして……食い入るように見たページだから、よく覚えている。
でもそこから先は……次の巻なんだよね~
いじわるな私は山の一番上の4巻をスイっと奪い取って、読むふりをする。
「ン? はあ~」
とため息をつく聖也の……上気した、ジトッとした視線を感じる。
「してやったり」と言う気持ちよりドキドキの方が全然大きくて……
私は平静を装うのに必死だ。
「この本、お母さんのだから、食べこぼしとか絶対にしないでね!!」
「お前の本にだって! もう絶対にしないよ!」
ヤバッ! 今の、ちょっとキューン!ときた!
「いい心がけだね! 続き、読ませてあげようかな……」
「ん、うん……」
あらっ? 反応が薄い……
聖也はベッドの上をモゾモゾと動いて私から少し離れて座り直した。
「お布団グシャにしないでね!」
「してねーよ」
言い返した聖也の言葉は取り残されて……
なにか言いたいけど言えない私の……お腹が小さく「コロロ」と鳴いた。
『ヤダッ!!』と心の中で叫びかけた瞬間
聖也がぼやく。
「なーんも食べないと部活後は燃料不足だ! 来週からはマックに寄り道してから来ようかな~」
「いじわる!」
「えっ?!」
「食べこぼし禁止をそんなに根に持たなくてもいいじゃない!」
「オレはそんなに小っちゃくはないよ!!」
「へえ~“小っちゃい”って、どこの事、言ってるのかなあ~」
ホントは分かってるんだ!
聖也が……私のお腹の音を……自分の音にしてくれた気遣いを
なのに私の方が意地悪く絡んでる事も……
そんなウジッ!とした気まずさを晴らそうとするのも聖也の方からだ。
で、ヤツは……“小っちゃい”は絶スルーしてこんな事を言い出す。
「ジョシシューってさ?」
「えっ?! 杜子春??」
「いや、“芥川”じゃなっくって女子臭! オンナのニオイ」
「なにそれ!キモッ!」
「えっ?! 女子臭が??」
「アンタの言い方が!! キモさ以外の何物でもない!!」
「じゃあ!……いいよ!!」
と聖也は私の“リヴァエレ BL抱き枕”に目を落とす。
コイツ! 私の趣味をネタにリベンジするつもりだな!!
よ~し!!臨戦態勢だ!!
返り討ちにしてやる!!
… … …
えっ?!
ちょっと!
いつものノリはどうしたのよ!
聖也のヤツ!
インモー剃られたら
去勢された??
まさかね!
お母さんだって……
『聖也くんを“不能”にするような事はしないからね』って言ってたし……
私、仕方ないから、子猫のネコパンチみたいに聖也のほっぺをポコン!と押す。
「女子臭がどうしたって?!」
途端にパアッ~と笑顔になるなんて!
コイツ!
ちょっとだけかわいい……
「うん! あるよね~って話! 甘い香りがさ!!」
「へっ?! それ、キミのエロい幻想だから! やらしいなあ!! いっつもそんな事考えてんの?!!」
「いっつも!……じゃないよ…… 今だって……してるから、だから……」
「何をしてるの?!! っと!やらしい!!」
「違げーよ!! 香りがしてんだよぉっ!!」
確かに“オンナのにおい”ってあるとは思う……甘い香りには程遠いけど……私は聖也に“ロックオン”したのだから、こういう事もキチンと教育してあげないと!!
「私のお布団をクンクン嗅ぐなんてホンット!やらしいんだけど!! それ、間違いなくシャンプーとかの匂いだから!! 聖也自身が今、汗臭いから際立って感じるだけよ!! そうだ! アンタの為にお母さんが着替え用意してくれてるんだ! 出しておいてあげるから今、風呂入って来なよ! で、実際ボディソープとかシャンプー使ってみればいいのよ! 私……1時間くらい前にお風呂入ってたから追い焚きすれば湯船にも入れるわよ」
先の『インモー事件』の後、母二人の結託は益々強くなり、お互いの家に『お泊り』しても大丈夫な様に、連れ立って私達の“着替え”を買いに行ったらしい。
お母さんはご満悦で聖也の着替えを買って帰って来て、いそいそと水通しの洗濯をしていた。
『梓のも可愛かったわよ~。時恵さん、買ったパジャマとランジェリー抱きしめてたもん! あなた、今度の日曜日はあちらのお家に行って聖也くんの帰り、待っててあげたら』
この大盛り上がりの母親二人を見ていると『穏やかな幸せ』ってこんなものなのかとも思えてくる。だから私も聖也にロックオンしようと決めたのだ。
お父さんが長期の出張で、お母さんと二人きりの時、
「何年か先、私、聖也のお嫁さんになってもいいなあ」って口走ったら、お母さん大喜びで時恵お母さんに電話して……泣きながら長い事話していた。
照れくさかった私は自分の部屋へ早々に退散したけど……
翌日、お母さんは私の目の前でドラッグストアの袋から『0.02』て大書された箱を取り出したんだ。
『「我慢しなさい!」って言っても、もう無理だろうから……聖也くんにキチンと使ってもらいなさい』って
聖也をお風呂へ追いやった私は机の引き出しからその『0.02』の箱を取り出し、箱の裏側を見ている。
管理医療機器だって!
なんだか物々しい……賞味もとい!使用期限もあるし……
『ゴム特有のにおいが全くありません』って……
どういう事??
『熱伝導性に優れ、肌のぬくもりを瞬時に伝えます。』
…
…
きゃっ!!
私の顔も瞬時に熱々だ!!
私って……
実は相当!!
“エチ”なのでは???
トントンと階段が上がる音がするので、私は下心が加味された隠し場所……ベッドの引き出しに箱を捻じ込んだ。
ドアがガチャッ!と開いて……人の気も知らないつやつやホカホカの聖也が入って来る。
「サッパリした!」
「そお~ それは良かったわねぇ~」
今の部屋の状態は……
『キラービーはいちご味』は机に移動して、私がベッドの上に座っている。
そう、順当に考えれば、カレが椅子に座る番だ。
でも、カレはお尻をベッドに置こうとするので、やむを得ないフリで少し横へずれ、並んで座ってあげる。
「さっきの続きだけどさ……」
「机の上だよ」
私は目で机と椅子を指す。
「そうじゃなくて“女子臭”の方……」
「ああ“杜子春”のお話ね……」
カレが私に……ゆっくりと身を寄せて来る。
「確かめても……いい?」
「どうやって?」
って聞いたら
カレ、いきなり私の髪に顔を埋め、うなじ辺りから『ネコ吸い』した。
私、たぶん
声、出ちゃったと思う……
「わかんないや」
「でしょ! 同じシャンプー使えば……」 吐息のような声で答える。
「でも……違う気もする。 別の 甘い匂いがする……」
うなじから顔を離して私を見つめる聖也……瞳が可愛い……
私は指でカレの鼻先をぷにゅん!と押す。
「今、『ネコ吸い』したでしょ!分かんないの?」
「分かんない」
と
カレはゆっくり私を押し倒し……
私は……下はお気に入りのブラ1枚の白シャツのボタンを……
自分の手で外し始めた。
この後はやっぱり??( *´艸`)
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