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第2話:さよならぼくのテイマー

各魔物の名前決めるのかなり考えました(笑)


追記:ドラゴンの名前載せてなかったので追加しました。ごめんなさい。

 まあヴァンパイアの次に入ったのはリヴァイアサンとイフリート、そしてドラゴンだったから全部オスだったんだよね。だからグレンがおっぱい大きいのが好きか小さいのが好きか論争は小さい方に軍配が上がろうとしていたんだ。


 リヴァイアサンは海辺の街に住んでるお爺さん……を装っていた。海を荒らすクラーケンを退治して欲しいという話で、正体を知った時は自分で倒せよ!って思ったんだよね。まあお互い決定打が無かったから戦えば海辺の街どころか沿岸も海も大変なことになるってのは理解出来たけど。


 イフリートは火の精霊王みたいな人で、ドライアドの頼みでエルフの森を守りに行った時に、相手のダークエルフが呼び出したものだ。グレンがコントロールを失って暴走しかけたイフリートを止めてテイムしたんだけど、あの時は大変だったなあ。


 ドラゴンには龍の試練という洞窟で出会った。ドラゴンはいわゆる古代種エンシェントと呼ばれるもので、汝らの実力、このワシに示してみよ!みたいに問答無用に襲って来たんだよ。グレンはなんだか力を欲していたみたいで龍の試練にも自分から進んで受けに行っていた。


 そして、今日、イフリートの導きでフェニックスが仲間になった。露出の高いおっぱい大きなお姉さんだ。これでおっぱい論争にも動きが出るのかもしれない。


 でも、これで十一匹。一人のテイマーがテイム出来るのは十匹が限度なんだ。おそらくはイフリートが抜けるのだろう。一時加入とか言ってたし、そもそもイフリートは精霊だからね。魔物じゃないからテイム出来るとは思ってなかったよ。


「わかった。お前のオンナになってやるよ、ご主人様」

「これ、フェニックス、お前と言うやつは」

「おいおい、オレにはフェザーっていうご主人様から貰った名前があるんだからな」

「まだ主従契約を結んでおらんのに、困ったやつよ」


 イフリートがフェニックス……いやもうフェザーって名乗ってるのか。と言い合いをしていた。そうだよね。ここでイフリートのおじさんともお別れか。寂しくなるなあ。なんだかんだで優しかったもんね。


 グレンはイフリートとお別れをするのかと思ったら久々にぼくを呼び出してくれた。戦闘でも役に立たなくなって、ずっと待機してたから本当に久しぶりだ。


 呼び出されたそこにはみんな揃っていた。フェンリルのブラン、ベヒーモスのノワール、セラフのマリー、ドライアドのエリン、妖狐の葛葉くずのは、ヴァンパイアのブリジット、ドラゴンのヴリトラ、リヴァイアサンのシルバー爺、イフリートのおじさん、そしてフェニックスのフェザー。


 もちろんその中心にはグレンが居る。ぼくの古くからの相棒だ。もうずっと一緒だったからね。以心伝心、というやつだ。みんなでイフリートのおじさんを見送ってやるんだろうな。優しいやつなんだ、グレンは。


「イフリート」

「なんだ、ご主人」


 だが、次のセリフはぼくの思った別れのセリフではなかった。


「これで、ぼくのことを主人と認めてくれるね?」

「ああ、もちろんだ。フェニックスを配下に出来たのだ。我が主人としてふさわしい」

「だったらイフリート、君は今からフレイだ」

「名を有難く賜ろう」


 グレンがイフリートに名付けた!? ということは誰か他の魔物ひとが抜けるってこと? でも、みんな強いよね。抜けるとしたら……


 グレンがゆっくり歩いて近付いてくる。ぼくの前にしゃがんだ。いつも一緒だった。背が大きくなってからはこんな風にしゃがんで話してくれる事が多くなった。そう、グレンは優しいんだ。


「ラビ」

『グレン』

「言わなくても分かると思うんだけど」

『待って、聞きたく、ないよ』


 自然と声が涙で揺れるのが分かる。


「ラビ、君は今後のぼくらの戦いに着いて来れない。これは仕方ないことなんだ」

『そんな、ぼく、頑張るよ、頑張るから、だから!』

「ラビ、君のテイムを、解消する」


 その言葉と共に、ぼくの中にあったグレンとの絆が無くなった気がした。ずっと、長い間、あの草原で出会って以来、ずっと感じてきた絆が。


「ここから南に走れば故郷には戻れると思う。でも、この森でもホーンラビットは居るからそのまま暮らすのもいいかもしれない」


 待って、グレン、待って!


「ごめんな、もう、ラビの言ってること分からないんだよ」


 グレンは悲しげに呟いた。そして、フェニックスに向き直った。


「待たせたね。君との契約を結ぼう」

「良いのかい、ご主人様?」

「前から、決めていた事だから」

「そうかい。まあオレはその方が都合がいいがね」

「契約を。よろしくフェザー」

「よろしくな、ご主人様。オレは役に立つぜ、あんなツノウサギよりもな!」


 そしてフェニックスはぼくを見てニヤリと笑ったんだ。ぼくはもういたたまれなくなってそのまま、グレンを置いて走り出した。

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