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第173話:街の遊撃手(晶龍視点)

もっと晶龍と白鈴のイチャイチャが見たかった(そのうち書くかも)

白鈴パイリン!」

「はいっ!」


 オレが蹴り飛ばした奴に白鈴が符を当てる。当ててんのよって言うんだっけ? いや、違うか。


「ショウ?」

「なんだよ?」

「今の人おっぱい大きかったわね?」

「知らねえよ! そんなの見てるわけねえだろ!」


 白鈴は自分の胸が大きくないって事を気にしているみたいだ。いや、胸の大きさとか変化の仕方でどうにかならないのかね? あー、ならなそうだなあ。オレももうちょい背が欲しい。


「お姉ちゃん、ショウ兄ちゃん!」


 鈴花リンファがとてとてとついてくる。戦闘力は大丈夫かって? 他にも護衛が居るからな。


 まずは赤い姉ちゃん、アスタコイデス。寄り付く奴らを片っ端から弾き飛ばしている。怪我させないようにするのがコツとか言ってたけど。


 白のおっちゃん、いや、兄ちゃんだな。ミラビリスは常に鈴花に攻撃がいかないように護っている。ありがたいこった。


 緑のハスタートは魔法で遠方の奴を狙い撃ちしている。足の遅い、デカい奴は大体撃ち漏らさず倒している。こいつらは住民では無いのでサーチアンドデストローイで構わない。


 さっき、僵屍鬼キョンシーとか言ってたかもだけど、こいつらは一時的に僵屍鬼になってるだけだからちゃんと治療すれば戻せるんだよな。さっきギルドで見たみたいなのは別だけど。


 鈴花は結界が得意だから敵の攻撃の威力を削いでいる。そういや結界が得意な奴がグレンさんの下にもいたよなあ。まあ術式が違うかもしれないけど。


「ヒューグルルルルルル」


 双子の巨人、というか巨人の僵屍鬼が現れた、これは、もう手遅れの部類だ。この辺で作ったのではなくてどこかからか連れて来たのだろう。


「グゴガァ!」


 その内の一体、身体の色が緑色な方が、個体名はハルクとでも……いや、勝てなくなりそうか。とにかく緑の方がアスタコイデスにおそいかかった。


「やらせんよ!」


 ミラビリスが素早い動きでその攻撃を受け止める。盾でしっかり止められた攻撃に緑の巨人が態勢を崩され転倒した。


「クァラグォラガー!」


 それに応えるように、もう一体の赤い巨人がオレらに向かってくる。やるならなんぼでも相手になるぜ!


 まずは相手の攻撃をいなす。こんな奴の攻撃なんか親父や義父殿の攻撃に比べればハエが止まっちまうぐらいだ。あれは、死ねる。思い出したら身震いしてきた。


 こういう風にいなすのを「やわら」というらしい。義父殿は「化勁かけい」と言っていたみたいだけど。やってみるとどっちもちょっとずつ違うんだよな。


 柔の方は相手の身体の動きから力の流れを操作する、みたいな感じ。なんだろう、掴みかかって来たからそれを掴ませといて受け流すみたいな。だから相手の勢いを利用してこかしたりする感じ。


 化勁の方は相手の攻撃の力、ベクトル?ってやつを他に向けてやったり、纏絲、回転力で倍返ししてやる感じ。弾いて殴る、というのがしっくりくる。


 どちらも相手の攻撃を無効化しながら攻撃を加えるから必須だとばかりにしごかれた。おかげで大体の攻撃はいなせるようになったぜ。でも、白鈴の攻撃は交わせないんだよな。なんでだろう?


 とか思ってたら赤い巨人が発狂したかのように、両手をぶん回しながら突っ込んでくる。これは、白鈴が危ないな。やれやれ、仕方ない。オレはもう少し楽しみたい気持ちを抑えつつ、体内で勁を練る。勁は螺旋。身体の中を螺旋か渦巻く様に通し、腕から発する!


 大纏崩捶、と言うらしい。六大開がどうだとか八大招がどうだとか義父殿が言っていた。この技を使うと、相手が浮くんだよな。落ちてきた所に、タイミングを合わせて、虎撲。両手を前に突き出して勁を放つ。普通の人間がやっても虎を殺せるとか言われてるらしいが、龍がやるとどうなると思う?


 赤い巨人はそのまま崩れるように地面に倒れ、動かなくなった。まあ巨人だから吹っ飛ばせなかったのは残念だ。


 アスタコイデスたちの方を見たらそっちも片付いていた。アスタコイデスがふうって顔をしてたからフィニッシュは奴なんだろう。


 さて、こいつらにかかずってばかり居ないで、厭魅の形代を見つけなきゃな。恐らく巨人たちが出てきた方角が怪しい。そっちから……って思ったら鈴花に止められた。


「あっち」


 何かを感じ取ったのか、自信満々に言うのでそちらに向かってみる。すると、そこには小さな祠があった。祠からは禍々しい気が流れている。


「私が」


 白鈴が進んで出て、祠に近付く。そして中に入っているものを見ると、小さな人形だった。白鈴は懐から、うちの母から預かった護符を取り出し、人形に巻いていく。


「天清浄、地清浄、内外ないげ清浄、六根清浄!」


 形代から何かが飛び出そうとして、そのまま力が弱くなり静まり返っていく。


「浄化完了ですよ、旦那様」

「ありがとな、白鈴が居て助かった」


 白鈴はにっこりと微笑んだ。

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