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第162話:錬金術師デンティフェル

デンティフェルちゃん登場! ロリ巨乳は正義!

「あんなあ、オレはフェニックスだぞ? 言ってみりゃ不死身なんだよ。炎があれば甦るからな」


 何そのチート。つまり、フェザーは殺せないってこと?


「んー、まあ、実際には殺す事は出来るぜ? 炎を封じられたら単なる鳥だからな」

「それゆえ、我が融合して力を貸そうというのだ」


 そこが分からない。なんでイフリートのおじちゃん……フレイはフェザーの口から出て来たの? 良く入ったね!


「ラビ、我は炎の化身ぞ? 大きさや形を変えることなぞ造作もない。故に、フェザーと融合することによって、威力を増そうと試みたのだ。一つ一つは小さな火だが二つ合わされば炎になる、とな」


 何を言ってるのか分からないけど、ともかくパワーアップを図って試行錯誤してたんだなってのは分かる。


「そういう事なのでな、グレン、頼みがある」

「なんだい?」

「我との契約を解除して欲しい」


 ええええええ!? イフリートのおじちゃんがグレンに愛想をつかせた!? グレン、大丈夫かな?


「理由を聞いても?」

「無論だ。まず、今のままだと我の自我が確立し過ぎていて、フェザーとの融合の際に邪魔になるのだ。我は元々精霊ゆえ力を発揮しきれぬ」


 なるほど。イフリートのおじちゃんが手伝おうとしても頭が二つあったら動きづらいもんね。


「もうひとつはラビだ」


 あれ? ぼく?


「そうだ。ラビが帰ってきたのだから当然グレンはラビをテイムするだろう? ならば枠は空けておかねばならん、違うかね?」


 イフリートのおじちゃん、ぼくは、ぼくはグレンに再びテイムしてもらえるなんて思ってないんだよ。そりゃあそう出来れば一番だけど、そんなものがなくてもぼくはグレンを助けたいんだ。


「しかし、ラビは」

「まあいい、そこは考えていてくれ。なんならジズをテイムするのでもよかろう。三大神獣が揃うなぞ滅多にないぞ?」


 グレンは口ごもっていた。確かにぼくなんかをテイムするよりもジズさんとかいう人をテイムした方がいいよね。確か元四天王なんだし。


 ぼくらの方の戦闘が終わったのがわかったのか、アスタコイデスさんがこっちに歩いて来る。隣にはハスタートさんが居る。ハスタートさんはぼくに向かって、すごいねー、強いねーとべた褒めしてくる。いや、フェザーが手加減してくれただけだと思うな。


「フェザー殿、どうだろう、私と一戦」

「あー、無理。ちょっと充電期間が欲しいんだよなあ。あんたの気は悪くないからやり合いたいんだが」

「まあ無理強いする訳にもいかんな。別の機会にしよう」


 同じ赤勢だからか、アスタコイデスさんとフェザーは仲良しだ。それで言うと赤いのはぼくもなんだけど、いまいち仲がいいとは言えない。


 そんな時に上空から何かが突っ込んできた。


「あーすーたー!」


 そう叫びながらその物体はアスタコイデスさんに受け止められていた。


「デンティ!?」

「そうでーす。アスタの愛しの恋人、デンティフェルだよ!」

「誰が恋人だ!」

「つれないなあ。でもそんなストイックなところも大好き!」

「はーなーれーろー」

「アスタならボクを引き剥がすことも出来るよね? やらないのぉ?」


 確かに、目の前に現れたこのデンティフェルという人間、おっぱいは大きいけど、身長は低くて、筋肉もついてないし。白衣の裾を引き摺りながら歩くのかみたいな感じの肉体労働者とは一線を画す人間である。


 腹筋が六つどころか八つに割れてるアスタコイデスさんなら平気で引き剥せると思う。えっ、六つ割れてるか八つ割れてるかは個人差の筋肉の作りの問題なの?


「ほーら、アスタはそんな事しないもんね。だぁい好き!」

「デンティ、全く、しばらく会わなくなって変わったかと思えば全く変わってないのだな」

「へへーん、錬金術の腕前は上達したよ? アスタへの愛は変わらないけど」

「私は女なのだが」

「そうだね、ボクも女だもん」

「男性を好きになる気は無いのか?」

「あ、そっちがいいの? なんなら生やそうか?」


 ナニが生えてくるのかは怖くて聞けない。きっととんでもないものだ。


「それで、ハス、真面目な話、ミナサノールの瘴気はどうなの?」

「うーん、私じゃお手上げだったんだよね。一緒に調べてくれる?」

「アスタが護ってくれるなら」

「それはもちろんだ。デンティ、頼む」

「いやまあ、愛しのアスタから頼まれちゃ仕方ないよねえ。あ、兄さん、ちょっと行ってくるね」


 デンティフェルはミラビリスにヒラヒラと手を振ったが、ミラビリスはつかつかと近付くと、デンティフェルにゴツンと拳を落とした。


「バカタレ! 自分も行くに決まっているだろう」

「痛っ、もう、兄さんは邪魔なんだけど」

「遠足に行くのでは無いのだぞ?」

「それもそうか。じゃあよろしくねー」


 なんだかんだで兄妹仲は良さそうだ。そうして四人の冒険者が再びミナサノールに向かっていった。

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