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第158話:sideグレン その5-1

アスタコイデス、ハスタート、ミラビリス、全部同じ様な元ネタありますが、わかった方はすごいです。

 ティリミナスに滞在して一ヶ月が経とうとしている。ぼくらは相変わらずミナサノールに乗り込む事は出来ていない。病気の対策が出来ていないためだ。


 そもそも病気なのかどうかすらも判別していない。葛葉くずのはは病気ではないと思うと言っていたが違っていたら申し訳ないし、ほくらだけで何とかできる見通しも立って居ない。


 あの陰陽大将とか名乗るオヅヌって奴は得体がしれないし、スクナ、イダテンの鬼たち、獅子吼、伏虎の二頭も含めればかなりの戦力だ。それにまだ隠し玉がありそうであり、もっと言えばあの街中にいる幽鬼の様な住民も気にかかる。


 そんな中で明るい話題と言えば白の騎士と緑の魔道士が街に着いたという事だ。


「やあ、キミが新しい勇者かい? ふむふむ、確かに前のボーヤよりかは強そうだね。私はハスタートという。緑の魔道士を拝命しているよ」

「緑のやつがすまない。貴方の話は聞いている。自分はミラビリス。白の騎士とは呼ばれているが別にどこの国に仕えている訳でもないので気楽に頼む」


 全身が真緑のローブに身を包んだおっぱいの大きな、でも身長は低い、だが、態度はエルサイズの女性。つば広な帽子で顔の細かなところは分からないが美人と言って差し支えないだろう。まあ言うとうちの女性陣に睨まれるけど。


 白の鎧を着ている人は背はそこそこの高さだが、それなりにがっしりとはしている。腰には剣ではなくメイスの様な打撃武器がさしてある。プレートには聖教のホーリーシンボルが刻んでいるので国ではなく教会にでも所属しているのかもしれない。


 そう思っていると白の騎士はマリーの前に跪いた。ええっ、なんで!?


「これは……地上で顕現されていらっしゃる天使様を拝見するのは初めてはありませんが、なんと神々しい。さぞかし名のある天使様でございましょう。御名をご頂戴出来ますでしょうか?」

「マリーと申します。天使としての名は別にありますが、今の私はグレンの伴侶ですので」


 マリーがさらっと言ってのけるとエリン、ブリジット、葛葉が割り込んで来た。


「ちょっと、マリー、抜け駆けはないんじゃないかな? そうやって対外的な位置を固めようとしてるのかい?」

「妾を差し置いて伴侶などと、いい度胸をしておるな!」

「マリー? おいたはあきまへんで?」


 それを聞いていた緑の魔道士、ハスタートは大笑いした。


「あっはっはっはっ、モテモテだねえ、勇者君は。いや、結構結構。お姉さんもそこに交ぜて欲しいところだよ、全く」


 まあ口調が軽かったのでどう考えてもからかっただけの本気では無い言い方だ。これには全員反応しない。恐らくみんなも軽口だとわかったのだろう。いや、ブリジットだけはなんか警戒してるな。胸に向かって威嚇してるのか?


「さて、真面目な話をしようか。ミナサノールを奪還しなければならないんだから。敵の事を教えてくれないか?」


 ぼくらは場所を移動して、ガナダンさん

 含めてギルドで話し合った。話してみてわかったが、前の勇者の事もあるからと実力を疑ったぼくが愚かだった。間違いなくぼくよりも格上だ。


 ただ、ぼくにはみんながいてくれる。総合力で言えば勝ちだろう。まあ競うんじゃなくて協力するんだけど。


「そうかい。陰陽大将ねえ。わたしゃ聞いた事ないけど白は?」

「自分も聞いた事がないな。しかし、厄介な奴だとは思う」

「そうだよねえ、どれだけ隠し玉が出てくるか分からないしね。いっぺん街ごと爆破してみる?」

「やめんか。元々は対魔王軍の最前線の街なのだぞ? 城壁とてかなり頑丈に作られていて力技では落とせんわ」


 確かに。ぼくらは普通に門から入ったけど、門番とかいたら入り込めなかったはず。


「うーん、白、黒の居場所は分かるの?」

「うむ、まあ黒なら連絡はすぐつくんだが」

「なら黒も呼んでよ。あの子居た方がいいでしょ、今回みたいな場合は」


 黒? よく分からないが仲間がもう一人、いや、確かもう一人は赤って言ってた様な。黒というのが居るのか?


「すまない。黒、というのは冒険者ではなくてな。黒の錬金術師というやつで私の妹なのだ」


 なるほど、冒険者として有名なのは赤、緑、白で、更には黒というバックアップ要員が居るのか。


「しかし、黒は動かんぞ? 何かエサでもあれば」

「赤に会えるって言ったら秒で飛んでくるじゃないか」

「その赤が勝手に行方知らずになったんだろうが!」

「あっはっはっはっ、確かに。私らが居場所知りたいくらいだよねえ」


 どうやら赤の御仁はかなり自由奔放な人な様だ。まあその赤の御仁を探すというのはあまりにも手が足りなさすぎる。


「まあ、実際にいっぺん当たってみるかね。私と白で」

「ふむ、たしかにな。直ぐに逃げられるようにしておこう」

「別に倒してしまっても構わんのだろう?」

「そう言って倒せた人間は未だに居ないと聞いているが」

「違いない。まあ無理せず様子見して逃げるかね。じゃあ勇者君、留守番よろしく」


 そう言うと二人は門の向こうに消えていった。

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