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第128話:対峙する戦士たち、そしてラビ君

それぞれのタイマンです。一部1VS1じゃないですけど(笑)

 山田さん、いや、山田の後ろから三人の異様な奴と一人のモブっぽい奴がこっちに向かって歩いてきた。そのうちの一人、ふらりと立っていつ剣を抜いたのか分からない奴が斬撃を飛ばしていた。おお、凄い。狙ってんのはマリエさん!?


「よっと」


 攻撃を弾く虹香さん。篝火かがりびさんは反応が遅れたらしい。


「ひひっ、今のを弾くか」


 男はニヤリと笑った。うわっ、不気味だ。グレンはこう、もっと笑うと目がなくなってさ、へにょってなるんだよね。比べるのが間違いなのかもしれない。


「手応えありそうで嬉しいねえ。まあまとめて撫で切ってやるがね」

「いやあ、あんたにゃ無理だよ」

「蛇如きがテイマーに使われているからといい気になりおって!」


 普通の蛇はテイマーに使われたくらいではテイマー以外との意思の疎通は出来ないんだけど。その辺気にしない人なのかな?


「ちょうどいい。篝火や、見ておけ」


 そういうと虹香さんは自分の身体を大きくした。今のサイズは人間くらい呑み込めそうな大きさだ。


「こりゃあすげぇ。バケモノ退治といこうかぁ!」


 相手は戦闘狂なのだろう、興奮し始めた。あの、血管大丈夫?


「飛刃乱舞!」


 男は空間をやたらめったら切り刻んだ。もしかしたらそこから四方八方に攻撃がとぶのかもしれない。


 果たして、虹香さんの後ろからも斬撃が飛んできた。どういう理屈なのだか。


「後ろもかい、こりゃあ厳しいねえ」

「飛刃乱舞でもダメとなれば……一点突破か?」


 相手の男はすごくワクワクしてそうな顔だ。バトルジャンキーなのだった。


「瞬歩角突!」


 バトルジャンキーの姿が消えた。いや、違う。目がついていっていないだけだ。踏み込みで物凄いスピードを出して飛び込んできたのだ。


「とんでもなく速い突き。私じゃなきゃ見逃しちゃうね」


 虹香さんはその攻撃を受け止めもせず、避けた。それだけ大きな力ということだろつか?


「ひゅう、これもかわすかよ。最早人間業じゃねえな。まあ蛇だから違うんだろうが」


 どことなく弾んだ声をしている。男は右に、左に、と動きながらうれしそうにはしゃぐ。


 いつしか男の姿が二人、三人、と増えていく。これは分身の術?


「高速移動による残像だ。しかし、どれが本体か分かるまい。それそれそれ、そろそろ切り刻むぜ!」


 虹香さんは大きくため息をついた。


「そんなのは無駄だねえ」


 虹香さんの身体にそもそもが攻撃が通じないのかもしれない。でも違った。虹香さんが尾を振るうとべちんと音がして男が吹っ飛ばされた。


「な、なぜ本体がわかった!?」

「視覚じゃなくてピット器官で反応すれば容易い事だよ」


 後で虹香さんが教えてくれたけど、温度を「視る」為の能力なんだそうな。まあ分身に熱は残ってなさそうだもんね。


 どうやらここは虹香さんに任せても大丈夫だろう。他のメンバーを見る。手足が異常に長い女の人はエリンに襲いかかった。ここ、森じゃないけど、大丈夫かな?


「大人しく、屍を晒すのよ!」


 そう言って手を前につきだす、気でも飛ばしてるのかな? と思ったら後ろの壁がスパンと切れた。よく見ると細い糸が見える。指先で操っているのだろう。


「まずは両腕からよ!」


 しゅるると糸が襲いかかる。エリンに向かって伸びたはずの糸は、途中でなにかにはばまれていた。


「なっ!?」

「このくらいの芸当はやってのけないとね」


 ニコッと微笑む。森がない、というのは杞憂だったみたいだ。される方はたまったものではないだろうけど。


「わざと騒ぎにつくような被害をさせてるんは少々やりすぎだと思うけど」

「ご心配なく、洗いざらい吐かせるから」


 さて、それではもう一人はどうだろう。姿がゆらゆらしていて何処にいるのか分からない。そのまますすっとマリーのそばに近寄って行って刀を抜いて一刀のもとに切り捨てる。そんな計算をしていたのかもしれない。しかし、実際は


聖なる光(ホーリーライト)


 マリーの口から言葉が紡がれると、ビカッと辺りが光で満たされる。ゆらゆらしている男は怯んで顔面を覆う。


「貴様!」

「あらあら、割と悪くない顔じゃありませんか」


 くすくす笑うマリーにゆらりな人が慎重に近づこうとする。うん、でもまあ光が強くて近づけないみたい。こりゃあ膠着状態ってやつかな?


 さて、中央。朱里あかりさんが後ろに姫様を庇いながら山田と対峙している。


「朱里。和歌宮様をこちらに渡しなさい。さあ、和歌宮様、私と一緒に参りましょう」

「お断りします! この、幕府のイヌめ!」

「姫様は嫌だってよ。どうするね、旦那?」


 はぁ、と山田は息を吐く。そして刀の鍔に手を掛けた。


「仕方ない。朱里、腕の一本くらいは覚悟しておきなさい」

「へっ、やなこった」


 言いながら朱里さんの額には汗が浮かんでいる。これはヤバいのか?


「捕まえたぜ!」


 気づいたらぼくは誰かに抱えあげられていた。誰? モブっぽいやつ? あるぇ?

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