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第121話:マリーとエリンの名前を合わせたらマリエ

名前は他意とかありません。

ある日、森の中、くまさんよりもとんでもないモノに出会った〜


「モノ扱いは酷くないかい、ラビ?」


いや、エリンの事じゃないよ?


「じゃあ私の事ですか!?」


ってなんで二人とも平然とぼくの心読んでるの!?


「精霊だもん」

「天使ですから」


この二人は。まあグレンとパーティ組んでた時に二人とも人間としての出会いだったからね。まあぼくはグレンの役には立たないって思ってたからパーティメンバー募集するのは異存なかったんだけどさ。


別々に募集したのに集まって来たのはなんなんだろうね。ぼくとしてはブランかノワールが引き寄せたのかなって思ってんだけど。ほら、レアな獣魔は引かれ合うって言うしね。


葛葉くずのは様とどちらが強いんやろか」

「葛葉? 私の方が強いですよ!」

「うーん、場所次第じゃない? 森の中なら私が一番強いけど、空が開けてたらマリーだろうね。室内なら葛葉の方が強いでしょ」


エリンの戦力分析はその通りだと思う。空飛ばれるとあまり相手にならないからね。マリーの戦力分析は、葛葉への嫉妬も入ってると思う。葛葉柔らかいもんなあ。


「で、グレンは?」

「今は小休止。次はサスカッチ辺りを何とかしようと」


サスカッチ? ええと、魔王軍の四天王だっけ? 確か氷雪の王とか。それだとエリンはお休み?


「まあさすがに氷とは相性悪いからね。森の中に連れ込めるなら違うけど」


イフリートのおじちゃんと新しく入ったフェニックスがどれだけやれるかにもかかってんだけど、まあ大丈夫かな。


「ちょっとラビ? 私の心配はしてくれないのですか?」


マリーは苦手のないオールラウンダー型じゃないか。どうせジズ戦でも活躍したんでしょ?


「ジズ戦は出番がありませんでした。ノワールとシルバーの知り合いだそうで」


独壇場だと思ったら出番すらなかったんだね。まあそれはいいかな。戦わないに越した事はない。


「お陰で私の出番が、出番が……みんな怪我しないですし」


まあ丈夫なんだもん。グレンも怪我してないのはいい事だ。駆け出しの頃はしょっちゅうグレンが怪我してたからマリーの治療はとても重宝してたよね。その頃に比べたらって事だろう。


「こうなったら私はラビの役に立つしかないんです! さあ、なんでも治しますよ。ほら、首から下が動かないとか、隻腕隻脚とか治してあげますから!」


そんな懇願されてもそんな都合のいい人がそうそう居るわけ……あれ?


『エリン、ええと、お手数だけど一緒に大阪たいはんまで来てくれない?』

「あれ? デートのお誘い? 一度見てみたかったんだよね」

「ラ、ラ、ラ、ラ、ラビ!? あの、それはそれは、なんで、エリンが」


なんかマリーの発作が大きくなった。いや、だってマリーを大阪たいはんの街に連れて行ったら一人で帰るの大変でしょ? だからエリンには残っててもらわないと。


「ラビ、マリーはなんで私を誘ったのか分かってないよ」


エリンは察しているみたい。なるほど、構図で言えばマリーをほっぽってエリンと大阪たいはんでデートという。役に立ちたいとか言ってたのにここでもスルーされたらそりゃあくるものがあるよね。


『あ、ええとマリーにはお願いしたい患者が居るんだけ』

「どこですか? 行きましょう! すぐ行きましょう! ラビきゅんとならどこまでも!」


そんなに意気込まれるとあれだね。マリエさんたちがポカーンとしてるよ。


『じゃあそろそろ帰ろうか。あ、鹿持って帰らないと』

「それなら任せて。よいしょ」


エリンが木を使って荷車を作ってくれた。ついでにキノコやら果物やらも載せてくれてる。


「帰りにこの木は元に戻しておくから」


どうやら荷車は元に戻すらしい。どうやってかは分からないけど。


「後ろから押してあげるね」

「私も押します!」


エリンとマリーが荷車の後ろにつく。シロさんは荷車を曳たそうにしてたけど、さすがに街中に入れる訳にはいかないって事で再びこの森で待機。ノワールに聞けば何か手があるかね?


大阪たいはんの門番は荷台に積まれている果物と鹿肉にびっくりしていた。ある一人が「これは一部を献上せんといかんなあ」とかニヤニヤしながら言っていたが、マリエさんが御免状出したら顔を青くして頭を地面に擦り付けてた。悪いことは出来ないよね。


レッドエリアを通って孤児院へ。クロさんが横を歩いているとみんな道を譲るんだよね。孤児院の前で朱里あかりさんと会った。


「随分大漁だな」

「ええ、上手く鹿が獲れました」

「アンタがバラしたのかい?」

「え? はい。うちの田舎ではみんなバラせましたので」


マリエさんの田舎、恐るべし。みんなで台所にお肉を運んでマリエさんは料理に取り掛かる。ぼくはそのまま蒼尉あおいさんのところへ。


「やあ、これは小さなお友達が来てくれたね」


優しく微笑む蒼尉さん。

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