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第105話:ドラゴンロードを飛ばせ!(晶龍君視点)

パイちゃんは東洋龍の系統なので五行思想です。ちなみに晶龍君は地水火風一通りいけます。

 何とか間に合った。というところか。お母様に「ラビ君が危ないわ」って言われて転移させられた時にはどうしたらいいか分からなかったけど。


 走ってる途中で経緯をお母様から教えて貰えたので何とか把握は出来た。それにしてもなんでパイとリンファも一緒なんだ?


「ショウ君、兵たちは私たちに任せてよ。ショウ君はラビさんを助けてあげて」


 パイはオレの事をショウ君と呼ぶ。いや、偽名がそのまま呼び名として定着した形なんだけど。人間形態ではショウって名乗ってるのは変わらないからまあいいか。


 しかし、お母様はオレがアシュリーと約束してた事を知ってたんだな。「私はなんでも知ってますよ?」ってニッコリ笑うのは怖いからやめて欲しい。あと、アシュリーの名前が出た時のパイがなんか般若の形相をしてる様な気がしたのは気のせいだろうか。


「もうすぐ着きます。あ、ショウ君、あれ!」


 指差した先でモンドのおっちゃんが懸命に攻撃を捌いているのが見えた。って、あんな細い武器で捌ききれるもんかよ。相手が持ってるの戟じゃねえか。


 ラビはどこだ? ってなんか立ったまんまでウンウン唸ってる。もしかして、力を出そうとしてるのか? きっと使い切ってそれから肉食べてねえんだろうな。無理やりでも肉食にするべきだったか? いや、でもあいつ草食を譲らないからなあ。


 近付いてわかった。相手の男はモノが違う。ありゃあかなり鍛えてある、武一辺倒に邁進して来たやつだ。人間の身であれだけの武を纏わせてるやつはなかなかいねえ。あのアスタコイデスとかいう赤い姉ちゃんと同レベルだ。


「はっはっはっ。あの世で悔しがるがいい!」


 どうやらモンドのおっちゃんの刀が砕けたらしい。だから言ったのに。しかし、こりゃ急がなきゃな。


「パイ、先に行く」

「はい。ご武運を」


 そうやりとりして、スピードをあげる。間一髪で間に合ったようだ。攻撃は食い止めたぞ。


「モンドのおっちゃん、何やってんだよ。トロくせぇなあ」

「お、お主は!?」


 オレのセリフにモンドのおっちゃんもオレが誰だか把握したらしい。ラビなんかポカーンってアホ面さげてこっち見てやがる。


「よう、ラビ。遅くなったな」

『なんで晶龍君がここに居るのぉ!?』


 その反応が見たかった。いいリアクションだぜ。あ、パイとリンファ? いるいる。ちょっと待ってろ、とか言ってる間に着いたな。


『ラビさん、私たちもいますよ』

『ラビちゃん! わーい、ラビちゃんだ!』


 ラビに分かるようにと覚醒してから覚えた念話で話す。いや、喋り言葉はラビは分かるからな。あ、リンファがラビを確保したか。よぉし、じゃあこの後はこっちに任せな。


「ショウ君、初の共同作業だね」

「パイ、そういうのはいいから」

「うふふ、はぁい」


 隙あらばいちゃつこうとしてくる。まあそれが嫌な訳じゃなくて、出来たらその、オレと二人きりの時に。あー、もう、言わせんなよ恥ずかしい!


「突然出てきたと思えばバカにしておるのか?!」


 巨漢の輝臣とか呼ばれてた奴が振りかぶって戟をオレに叩きつける。そんなもんが当たるかよ。だが、敢えてだ。敢えてオレは真っ向から向かっていく。


「オルァ!」

「なんだと!?」


 刃の部分を横から叩きつけるように折り飛ばす。巨漢の目が驚愕に見開かれた。


「くっ、輝臣!」

「させない!」


 悪顔の男が何かしようとしたのを水が取り囲んで手足を縛り付ける。パイの水操作魔法だ。お母様直伝なんだよ。いや、なんというか、強い女ってのは水属性なのかね?


「何を騒いでおる、あっ!」


 今度は醜いデブ野郎が出てきた。あー、こいつは悪そうだわ。


「おい、貴様ら何をしておる。輝臣と葉蔵を助けんか!」


 自分で助けに来るのではなく、テントの周りに居た兵隊を集めて向かってくる。まあオレが見た目子どもだし、パイとリンファもそうだから舐めてるんだろう。この手の輩は見掛けで判断する事が多いからな。


 リンファはマリエと篝火を助けるために土のドームを作っていた。リンファの属性は土らしい。少し金属性も混じってるんだとか。


 あ、パイとリンファの属性は四属性じゃなくて五属性、木火土金水だから。オレにはよく分からないけどソウショウとかソウコクとかあるらしい。この辺は詳しくやると時間がかかるので割愛。


「撃て、撃て撃て!」


 そう言いながら大量の矢をこちらに向けて来る。リンファが土壁で何とか防ぐんだけど、長くはもたないと思う。


「ショウ君、ブレス!」

「は? お、おう!」


 パイに言われて矢にブレスを吐きかける。パイが「火剋金! 火気を以て金気を制す!」ってオレのブレスを起点に全ての矢に拡がるように炎で覆い尽くしちまった。


「小癪な真似を! 貴様、龍種か!」

「へへん、いかにもビビったか?」

「これで我も征龍将の称号が貰えるってものだ。やる気出てきたぜ」


 えー、まだやるつもりなん?

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