風雲児、失言する。
天文15年 山城国 京
「……になればそなたに義藤の名と並びに左馬頭への任官を命ずる。されば………」
「ははぁ、恐悦至極にございますれば、この菊幢丸ありがたき幸せ。」
菊幢丸、この時より父、義晴が朝廷に要請し名を菊幢丸改め義藤と、官位を従五位下左馬頭への任官を命じられる。
「父上!此度の任官なんの意味がございますか!」
「どういうことじゃ義藤?」
「朝廷は我らが京を追われた時に助けもくれませんでした、なのに媚びを売りたいからと官位など…」
義藤は朝廷への意識は幕府の現状を知り手を差し伸べない朝廷へのつのりがあったのです。
「たわけ!!義藤、此度の任官なにを意味するか、そなたには分からぬのか!!」
義藤は優しくも厳しい父が本気で怒るとこを初めて見ました。
「公方様、どうかお怒りをお鎮めくだされ。」
「お願い申し上げます。」
「大舘、朽木そなたらは黙っておれ!これは儂と義藤の話ぞ!!」
「しかし公方様…。」
「わかった、今回はそなたらに免じて許そうしかし義藤よ、次そのようなことを言ったら…」
義藤は恐ろしかった、こんなにも怒った父が恐ろしいとは思わなかった。
「ははぁ!申し訳ございませんでした。」
「わかれば良いのであるみなも此度のことは忘れよ。」
「「「「ははぁ!!」」」」
義藤は、首な皮一枚繋がったのであった。