男友達とかくれんぼ
学校の帰り。
小さな神社の境内で、賢治と修司と国男、それに僕の四人でかくれんぼをした。
気の知れた男友達だから、四人で暗くなるまで、ずっと遊んでいた。
今度は僕が鬼だ。
注連縄が張られた、御神木のイチョウの木にもたれて、目をつぶる。
五十、数える。
「もういいかい?」
「もういいよ」
女の子の声に駆け出した。賢治はすぐに見つかった。狛犬の陰に隠れようとしたらしい。
唇を尖らせて、不満げに言う。
「来るの、早ぇよ。まだだよ、って言ったじゃん」
「え? でも」
もういいよ、という声を聞いたけど。